第11話 リア充アピール合戦するアレ
【拡散希望】
自衛隊と道行政のボランティアにより、以下にて仮設連絡所が開設されました。
現在メディアや電話設備等の一部に障害が発生しており広報手段が限られますので、本情報をお見かけになられた方は知人への連絡やインターネットでの拡散をお願い致します。
〇〇陸上自衛隊駐屯地
〇〇小学校体育館
連絡書の利用は、行政やメディアの麻痺による情報不足解消の為の情報交換と得た情報の発信を目的としております。
※注意点
・当該連絡書発足は正式な行政指導のものではなく緊急的な互助組織的なものですので救援要請等にお応えすることはできません。
・避難所ではありませんので、避難民としての受け入れはお断りさせて頂きます。
・同様の理由と医師・スタッフ共に人員不足であることと感染ルートの特定ができていないことから、感染者の受け入れはできません
【追記】遺体の受け入れも行っていません
※重要
現在、発電設備や各電信会社中継設備等の運営並びに保守について確認が取れていません。近日中に機能しなくなる可能性がありますので留意ください。
……なんだこれ。
僕以外にも人間がいることは間違いなさそうなんだけど、状況が分からなすぎる。
感染者って何だ? 危険な伝染病でも蔓延してるって言うのか?
てか、自分が病み上がりだからインフルエンザを連想するけど、そうとも述べてないよなこれ。
何にせよ、こちらは遺体や感染者とやらを含め、人自体全く見かけていないのだ。
本当に何なのかよく分からない。
この山田さん、北海道旅行に行った際に居酒屋で偶然隣に座っただけの人である。
趣味と猫好きであることが一致して意気投合したので印象に残っているが、SNS上を含めお付き合いはそれっきりの人だ。普通なら「こんな人いたっけ」レベルのお付き合いでしかない。
しかし、今はそんなこと言ってられない。
僕は早速彼に個人メッセージを送ってみた。
「お久しぶりです。僕です。覚えてますか? 状況が掴めてなくて混乱しています。何が起こってるんですか?」
1分も経たずにポーンと返事が返ってきた。
『お久しぶりです。覚えてるよ。君は無事みたいだね。本当に良かった。そこにいる無事な人って他にいるかい??』
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