第3話 日常

いつも通りのつまらない講義。眠くなる。折角(せっかく)あんなにも高い授業料を払っているのに。

「おはよう。眠そうだね。」

講義終わりに友人が話しかけてきた。

「おはよう。眠いのは教授のせいで、決して朝方までゲームをしていたからではないよ。」

 友人が呆れつつ、でも笑いながら言う。

「いや、絶対それでしょ。」

「えー。そうかなあ。」

「そうだよ。」

いつもと変わらない日常。いつもと変わらない友人。



そう、いつもと変わらない。何もかも。



もう、何度目だろう。この時間を繰り返したのは。何度も同じ夢を見て同じ感想を抱き、同じ言葉を口にして…。一人だけ世界に取り残されたようだ




と、いう冗談はさておき、いつもと変わらない平和な一日になりそうで安心した。

何も心配することはない。何も。





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