第7話 子爵との決闘、新魔法とスキル(前編)
今日の初日の授業は、実技だ。
「龍雷覇」
夜光剣に赤い雷を纏わせると、藁人形の的に向かって一閃、ドゴーンと音を立て消えた。
「んー。発動遅いな。もう一回か。」
肩より上に剣を掲げ、もう一度スキルを発動する。
「龍雷覇・炎雷」
眩い赤い雷が漆黒の剣に纏いだした。よし、いける。再び的に目掛けて一閃、今度は、手加減できたのか、二つに割れた。
「お見事ですね。殿下。」
ラインが、リュウキのスキルを大絶賛すると、ルルが、
「今お持ちのスキルは何個ありますか?」
今か・・・。
「数えてないけど、一五個くらいかな」
ルルが驚いた顔をしているが、急に、
「私と手合せしてください。」
そう話すと、双剣を取り出す。
(手加減しないといけないかな?ライン?)
ラインに声を掛ける
(はい、その方がいいかと)
少し考えて
(わざと負けるか)
小闘技場に移動をし、夜光剣を構える
「二刀流ではないのですね。」
ルルが訪ねてくると、
「こいつだけで今は戦うよ。夜光剣の方が、魔力を溜めやすいからね。」
勝負を始めようとすると、どこからか声が飛んできた。
「その勝負を一旦やめよ。」
振り返ると、エリスア王国エメルス子爵が長子ルクス・フォン・ガサリアだった。
「何かな?」
リュウキが訪ねると
「お前、ヴァルハラ魔工国の王女に何をしようとしている。」
ルクスがキレ気味に、怒号を飛ばしてくる
「いや、普通に俺の婚約者が、頭を下げて手合せを頼んできたから相手するのは普通では?」
ルクスが、急に笑い出した。
「お前みたいな、バカ面が婚約者か。そんなのでまかせだな。」
はぁ、なんかこいつう面倒だな。消すか。剣に魔力を込めた。
『斬空・烈覇・炎雷覇』
ルクスの首もとに夜光剣がスキルと共に寸止めされた。
「お前面倒だな。明日この場所にもう一度来い、俺と決闘しろ。そして、俺の力でねじ伏せてやる。」
リュウキ達は、小闘技場を後に、王城へ戻った。
「そんな事があったのか。あの子爵のバカ息子は魔法科Aクラスに不満があったみたいって聞いたからな。」
国王である父に今日の出来事を話した。
「明日ルクスをねじ伏せたいと思います。」
リュウキの怒りが頂点に達していた。ラインは
「明日、私が審判をします。」
父は頷き、急に立ち上がり、ある物を取りに行った。
「これを使いなさい。『雷光煉剣』と『炎氷燕剣』だ。元々は、代々この国に伝わってる剣だ。王太子の儀式に渡す剣だが、今回は特別だ。」
これが、代々伝わる剣か。
「ありがとうございます。父上。」
父にお礼を言い退席しようとすると、
「明日は、私も見に行こうと思っているからな。頑張れリュウキ。」
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