第5話 第一皇子と騎士団の反乱
夜光剣と聖白剣の手入れと魔法付与を自室で新しくやり直しながら、書物を色々見ていると、コハルネとライトが入ってきた。
「リュウキ、第一皇子と騎士団の一部が反乱を起こすかもしれない。」
はい?なんだって?
「それどこ情報?」
ライトに確認をすると
「騎士団内部で第一皇子派だ。リュウキはまだ知らないが、王族継承順位一位がお前だ。」
そうだったのか。へー・・・。えっ?えー。なんですと、初耳だったのだが、まぁいい、父上に報告しないとね。
「父上。いまよろしいでしょうか?」
執務室の前で、声を掛けると
「どうした?珍しい組み合わせだが、ライトはともかく、コハルネまでとは」
さっきの話を国王である、父上に相談した。
「やはりな。裏でこそこそと何かをしているのは感じた。」
知っていたのか?ライトを見ると頷いた。
「父上この件は、私たちにお任せしていただけないでしょうか?」
一瞬驚いた顔をしたが2つ返事だった。コハルネとコルル姉弟に封印していた、金木犀と白銀の防具とアルテミクリア、ニューヘルを持ってくるように伝え、ライトは、第二皇子派と言われる隠密、改革派を連れてきた。意外と多かった。隠密隊には、第一皇子や他の騎士団の反乱分子の探索を命じた。
この防具の久しぶりに装備するな。夜光剣と聖白剣を両腰にぶら下げ、ニューヘルはマントの裏に仕込む、アルテミクリアはアイテムボックスに収納した。
「隠密隊は、これより反乱分子の探索に向かい、発見次第報告するように、散」
「ライン副団長以下八部隊は、これより、街に向かい敵が潜伏しそうな場所を捜索せよ。」
ラインは俺の護衛をしている青年で、元々、父上と彼の父親が親友同士でヘルテスと同じパーティだったらしい。
『サーチ(探索)』
南の森の一軒家と東の森の廃砦にもいるな。兄上は、ここか、ここは、街中にある廃砦か、騎士は一〇人か、その中に第一皇子の兄がいた。
「見つけた。兄様覚悟してくださいね」
両手に魔力を集中させる。
『武器作成・パイルジェットバンカーシェル』
所謂、パイルバンカーだ。これを城壁から、射出させる。
『サイクロン・シェル・バンカー』
勢いよく探索で発見した、一軒家の上空にパイプで出来た槍が飛んで行った。
『エクスプロ―ジョン・エンチャント』
凄まじい爆発が起き、一〇数個の流星弾が舞い落ちる。
『流星弾・炎(メテオバレッド・炎)』
さて、爆発と炎上に気づいた騎士団がそこに駆けつける所を遠目で確認する。俺らも向かうか。ライトと共に転移する。
『ゲート(転移)』
ここか、騎士団がいるな。
「ライン、どんな感じ?」
ラインがこちらに来ると
「第一皇子のサルス様は、この廃砦に立て篭もっていましたが、先ほどの爆発で出て来ました、今は、我が騎士団とにらみ合っています。先ほどエリル王女様とレイル王女様が到着され、本陣で待機されています。」
姉上が何しに、一体来たのだ。本陣に入ると
「リュウキ、父上からの伝言です。第一皇子サルスとオール騎士団団長を捕縛、裏切った騎士団も同様です。」
俺は、一息をつき姉上に、
「分かりました。直ぐに取り掛かります。」
ライトと共にテントを出ると、ラインや他の者に指示をする。
「先ほど、『流星群・炎』の魔法の中に結界と捕縛という命令式が組み込んであります。俺の一言で発動します、なので、魔力痕がある所まで誘い出してください。」
ラインたちは、頷くと他の団員に同じ指示をし出した。
「いくよ。3,2,1、今だ!『捕縛結界(バインドロック)』」
一度に反逆者の第一皇子と騎士団長を捕縛した。呆気な・・・。
ん?これは、『サーチ(探索)』
「さて、では、移送するか。」
ラインたちには、先に転移で反逆者達を移送する。俺らは、『コピー(擬体)』で反逆者達の人形を作りそのまま馬車が発進した。一〇数分でやつらは、襲撃してきた。
「第一皇子及びオール団長を返してもらう。」
裏切った騎士団の一人がこちらに近づくと、俺の顔をみた瞬間、
「第二皇子のリュウキ殿下!何故、このような所に!」
もしかして、討伐隊のリーダーって知らなかったみたいだ。都合がいい、
「お前たちを捕縛する。」
ライン達がいつの間にか、包囲していた。
「これで全員ですかね?」
ラインに確認され、サーチを使うも発見されなかった。うん、帰るか。
俺らは、王城に帰還した。
後日、第一皇子と騎士団長は、島流しになり、第一皇子は王族の権威も剥奪され、騎士団長は役職及び称号も剥奪されたのは、言うまでもない。
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