血の滾るような冒険も、胸が躍るようなロマンスもない。ただの武器屋の親父さん。丁寧に描かれていく一つ一つの描写が、この世界で人が生きていることを示しているようで、とても惹き込まれるお話でした。作者様が書かれているように短いためにさくっと読めるのですが、それ以上に次を読みたいと思わせて頂ける魅力に気付けば全て一気読み。ヨムだけの方はもちろんですが、カクの方にもぜひ読んで頂きたいそんなオススメのお話でした。
個人的には3話が一番面白かったです。正直、オチが予想できていましたが、それでも、あるいはだからこそ、傭兵の返答にニヤリとしてしまいました。5話は、ある意味で主人公が主義を曲げるとも取れる展開ですが、その曲げ方こそが、逆に主人公らしくて素直にカッコ良かったです。自然と続きを読み進めたくなる物語でした。