エロ本収集家、メイドカフェに行く

ソータは工場、ヨドは宅配業者、そして俺は電気サービスの案内。3人とも無事に職を得た。株式会社ユーエイの面接があまりにもあっけなく進んでその場で受かったことを2人に話したところ、ソータは「そこ裏があるんちゃうん?」と眉をしかめ、ヨドは特に何もコメントしなかったがやはり微妙そうな顔をしていた。正直なところ俺も、大丈夫かなあという不安定な気持ちのままでいた。


さて、バイトを始めたものの、あくまで俺の本職はエロ本収集家である。


今日はアダルト雑誌、月刊バズクイーンの発売日なのだ。エロマンガ誌の悦楽バッファローと違って、セクシー女優のグラビアやインタビューが載っているリアルな雑誌だ。日本のポルノ業界を支えるべく、売り上げに貢献せねばならない。本日も午前中から地元から遠い駅へと乗り込み、書店にて意気揚々と月刊バズクイーンをゲットした。ちなみに俺は必ず書店で購入する。エロ本界だけでなく書店業界にも貢献すべきだと考えているのだ。コンビニからエロ本が撤去されようが、痛くも痒くもない。コンビニ業界に貢献はしないのかという疑問については……まあ、コンビニは他にもおにぎりとかスイーツとかたくさんあるからそこで粗利を取れば良いのではないか。いや知らんけど。


本来ならこれでミッションは完了なのであるが、今日はもうひとつのミッションを、ソータとヨドと3人でこなす必要があった。


「あの……、メイドカフェ、って、行ってみたいと思わへん……か?」


あまり自分から提案することのないヨドが、もじもじと切り出したのが先週の木曜日。ソータはすぐに乗っかった。こいつは可愛い女の人ならたぶん誰でも好きなのだ。俺も、メイドというものはよくわからないが、やめておこうというほど嫌なわけでもなかった。試しに店舗のオフィシャルホームページを検索してみたところ、予想以上に可愛い人だらけで素敵な気分になったのも事実だった。


学校の帰りにイオンやジャンカラに寄ることはあったが、休日にこいつらと遊びに行くというのは久しぶりだ。ここには書けないようなどうしようもないエロトークをした。


やっぱり男同士というのは、気兼ねがなくて良いものだ。メイドカフェに可愛い人がいるなら行こう、オムライスに「LOVE」って書いてくれるなら是非ともお願いしよう。実にわかりやすい。島本みたいにめんどくさくない。


メロンソーダ1杯400円というのは高額すぎる気がしなくもないが、猫と人間のハーフだというミウたそがメロンソーダの甘味が280倍に拡がるミウミウニャオニャオマジックとかいう魔法をかけてくれて嬉しかったのでそれで満足した。じゃんけんに5回連続で買ったらミウたそとの2ショットチェキを撮らせてくれるということで挑戦したのだが、3回めで負けたので残念だった。ソータはあと一歩のところでリンナさんに負け、ヨドは速攻でカナちに負けていた。


とても有意義な休日のお昼であった。

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