第28回:どこまでが蛇足設定なのか(補講)

今回は、予定を変更しての補講ネタです。別のタイムリーネタに関係するのは物が物だけに書けなくなったので。


・蛇足設定とは

 そもそも「小説で描写しない設定は蛇足なのか?」と思いますよね。学園ものの場合は学校の外は真っ白な空間なのでしょうか? それとも、ビル街などが書かれているハリボテなのか?


 登場人物の設定もそうでしょう。兄弟がいるという設定は、兄弟を出してこそ初めて生かされる設定であり、「二次創作する時の参考にして」というような設定では「この小説では出さないのか」とツッコミが来るのは間違いないです。だからと言って、登場人物にも家族がいるはず。もしくはいたはずでしょう。もしかすると家族同然の仲間たちも――と予想し、書かれていない設定を二次創作で補完しようというケース。あるあるですね。オリジナル主人公やオリジナルモブの夢小説にもよくある事でしょうか。


 作者自身が設定していない以上、家族がいるかどうかは「推測の域」を出ない訳です。本編中、設定しただけで終わりそうな物は出さない方が一番でしょう。


 どうしても設定しないと「作品のリアリティ」が出ないのであれば、描写するのは構いませんが「本編中に関係する物」に絞り込みましょう。Aと言う場所からBと言う場所へ移動する際に、「主人公はAからBへ移動した」で済ませる事も可能でしょうが、どういう移動手段を使ったのか、どういうルートを通ったのか分からないですよね。もしかして、瞬間移動が使えるのでは――と思う人も出てくるかもしれません。


 しかし、作品に無関係であれば結果だけを書き、それ以外の描写でフォローしていく方式しか手段はないと思います。そう言う描写はメディアミックスした際に設定してもらい、今回は描写しないと開き直るのも手でしょうか。


 そうなると、蛇足設定って「メディアミックスした際に使うであろう設定を小説に書いている」と言う認識になってしまうので、設定資料集とか企画書とかになってしまいがちです。それを避ける為の手法は他の人の創作論等でチェックしていくのが一番かもしれませんが――と書くと、かなりのメタ発言オチになりそうですね。

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