紫陽花茶会


最近、中庭で寝ていると賑やかな声が聞こえてくることが増えた。

そのせいでルシフォンは目を覚ますのだがどうやら近くで茶会が開かれているらしい。

そういえば誰かがそんなことを言っていたな、とルシフォンはどこかで聞いた話を思い出した。

のんびり屋なルシフォンが、イベント事で皆でワイワイガヤガヤするのは嫌いではないが少し苦手だ。


でも…茶会か……確かにいい匂いがするな、


と心の中で思いながら茶会の匂いと皆の楽しそうな声を子守唄にルシフォンはまた目を閉じた。



数分してからだろうか。

ルシフォンは体を揺さぶられてる感覚にまた目を開けた。

日が傾いたようで木陰で休んでいたはずが目を開けると眩しい光が一番最初に目に飛び込んできた。


「おぉやっと起きた〜」


聞き覚えのある間延びした声と共に謎の白いのが太陽を遮るように視界に入ってきた。

「ミラ……」

「ほらほら起きなよ〜みんなお茶会楽しんでるよ〜?」

「んんん……ミラも楽しんできなよ……」

「オレは十分楽しんでるよ〜だからアルも楽しも〜!さぁ行こう〜!」

「ちょ、っミラ…」

再度寝ようとしたルシフォンの前足をもち無理矢理に連れていこうとした。

が、

「ねぇアル……その姿だと連れていきづらいよ……」

と言いながらミラは途中でダウンした。

確かに四つ足の姿なら首輪にリードをつけない限り大きいし重いしで連れていきづらいのだろう。

しめたっ…!と一瞬思ったルシフォンだったがミラが頑張って自分を混ぜようとしてくれてるのが嬉しくて観念することにした。

「なら……」

ルシフォンは小さな獣に姿を変えてミラの肩に飛び乗った。

「これなら連れていきやすい?」

と何故か得意気に笑ってみせる。

「…行く気になってもオレに頼るのかよ〜まぁいいけどさぁ〜よし行くぞ〜」

肩に乗ったアルを支えながらミラは笑顔で楽しんでいる皆の元へ向かった。

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