第1話 一難去ってはいないけど、また一難



 ひとまず……ひとまずは、だ。


 俺は、目の前の光景を……というか、己に起こっているコレを夢や幻覚幻聴とは思わず、現実に起こっていることだと思う事にした。


 信じ難い現象……状況だが、疑い出したらキリが無い。只でさえ、俺は持病を持っているんだ。これで、さらに新たな持病とか……止めよう。



(頭の中……いや、俺の中か。声は……女のモノだったな)



 まあ、そこらへんは今のところ、どっちでもいい。とりあえずは、何時までもここで突っ立っているわけにもいかない。


 そう判断した俺は、改めて周囲を見回し……ふと、足元を転がっている包丁に目をやって……今更ながら、ゾッと怖気が背筋を走った。



 ……足に刺さらなくて良かった。



 包丁を何とか拾って元の場所に戻してから、部屋へと戻る。その際、布団が引っ掛かって半回転するハメになったが……まあいいだろう。


 砕けたテーブルの破片(やはり、幻覚なんかではない)に気を付けつつ、パソコンの前に座る。


 辛うじて、テーブルの足は無事だったようで、パソコンがテーブルから落ちるような事態にはなっていなかった。


 次いでにいえば、直前に傍に置いてあった酒を飲み干していて良かった。


 値段(度数高めの発泡酒だ)云々ではなく、下手に中身がキーボードやら本体に掛かれば……最悪、中でショートして壊れていたからだ。


 ……まあ、それはそれとして、液体の被害は無いようだが、相当な衝撃が伝わってしまっていたようだ。


 ディスプレイに映し出された画面をよくよく見れば、映し出されている映像(広告など)が止まっているのが分かる。おそらく、衝撃でフリーズしているのだろう……仕方がない。


 最初の時と同じように、パソコンを強制終了する。


 正直、ここで電源を落としたら二度とパソコンが起動しないかもと思ったが……万が一内部に異常が起こっていて、ショートするよりは万倍もマシだ。


 そうして……ぴしゅん、というあまり聞きたくはない音と共に、パソコンのファンが止まった。静けさが、室内に戻ってきた。



 ……静けさが沈黙に移り変わるのに、ほとんど時間は掛からなかった。



 こういうのは、嫌いだ。静かなのは好きだし、騒がしいのだって嫌いじゃない。


 でも、沈黙は駄目だ。沈黙の中にいると、何もかもに拒絶されているような気がしてならないからだ。


 それだから、何時もなら酔いを覚えるまで酒を飲み、映画の世界に身を浸すようにしていた。


 そうすれば、どんな孤独も気にならない。


 映像の向こうに作られた架空の世界に身を置き、辛い現実を忘れられる。使い潰され、交換されるだけの歯車であることを忘れられる。


 だけど……その映画が見られないのは、辛い。


 見たいと思えば見られる(壊れてさえいなければ)のだろうが、今だけはこちらの方に気が向く。酒を飲む気にすら、なれない。



「医者に……馬鹿か俺は、行ってどうなるんだよ……」



 テーブル下に転がっている時計を見やった俺は、少しでも気を紛らわせようと、同じく転がっていたスマホを手に取り……ん?


 何やら、視線を感じる。いったい何だと顔を上げた俺の目に映ったのは……ディスプレイに浮かぶ、先ほどの『白い靄』だった。



「うわぁ!?」



 ――反射的に、仰け反った。



 反動で、俺の身体は再び宙を舞って、天井へと張り付いた。はらりと倒れた掛布団を他所に、俺はディスプレイに映る『白い靄』を見て……あっ、と我に返った。



 ――ま、待て!



 だが、遅かった。そう、言い掛けて天井から手を伸ばしたと同時に、『白い靄』はするりと画面から消え……見えなくなった。


 慌てて、天井から降りる。ゆっくりと、ゆっくりと……体中に風船でも括りつけられているかのようなもどかしさの中で、ゆっくりと足が床へと着く。


 そうしてから、急いでディスプレイに手を当てる。


 どうか、また戻って来てくれと。どうか、この身体を元に戻してくれと。「おい、そこにいるんだろ!?」ディスプレイに頬を付けんばかりに顔を近づけ、液晶画面と樹脂の隙間を見ようと目を凝らした。




 ……。


 ……。


 …………だが、何も起こらなかった。


 まあ、当然といえば当然なのかもしれないが……正直、期待が無かったかといえば、嘘になる。落胆しなかったといえば、嘘になる。



 ――せっかくの手掛かりが遠ざかってしまった。



 そう、思わずにはいられなかった俺は、深々と……溜息を吐いた。



『――それは、落ち込んでいる、というやつか?』



 その、時であった。脳裏で……否、俺の中で声が響いたのは。


 その瞬間、俺は「――あっ!」似合わない大声を上げた。


 直後、反射的に口元を抑えた俺は、再び大きく息を吐いてから……恐る恐る、俺の中にいる何かに問い掛けた。



「俺の声は、聞こえているのか?」

『――聞こえている。質問に答えて欲しい、今しがたのお前の反応は、落ち込んでいる、なのか?』



 ……あまりにあっさりと返事をされたことに、俺は少しばかりの間、反応することが出来なかった。



『……どうした? まさか、自傷行為を再開するのか?』

「い、いや、そうじゃない……ただ、驚いていただけだ」



 客観的に見れば、今の俺はどう見られてしまうのだろうか。


 おそらく、何もない空間に向かって独り言を呟く少女……違うな。独り言にしては会話に具体性が有り過ぎる。


 つまり、当人にしか見えない何かに向かって語りかけている怪しい男……ああ、今は男では……違う違う、そうじゃない、落ち着くんだ。



「すー……はー……」



 大きく息を吸って、吐く。意識して、深呼吸を繰り返す。そうしていると、己が如何に混乱していたのかがよく分かる。


 言い換えれば、それが自覚出来なかったぐらいに混乱していた証左なのだが……とにかくは、だ。


 ……これは、現実だ。


 夢でもなければ幻覚の類でもない。改めて、俺はそう強く己に言い聞かせる。そう決めたのだ……だから俺は、改めて姿の見えないソイツに尋ねた。



「お前は誰だ? 俺をこの姿にしたのは、お前なのか?」

『――それは、私に聞いているのか?』

「ああ、そうだ。他に誰がいる?」

『……? 質問の意図が分からない。だが、質問には答えよう。私にも分からない、それが返答だ』

「……どういう意味だ?」

『そのままだ。私が、私を、私として認識したのはお前と融合した、その時からだ。だから、それ以前のことは何も知らない』



 ……一瞬、俺は言葉が出なかった。



「ゆ、融合ってことは、その……」

『言葉通りだ。私は、肉体を持たない。故に、お前と融合し、同化した』



 分かってはいたが、改めて言葉にされた俺は。



「……そ、そうか」



 ――グッと、こみ上げた怒りを飲み込むしかなかった。



 正直、怒鳴りつけてやろうかと思った。人をおちょくっているのかと本気で思った。だが、俺はそうしなかった。冷静ではなく、怖かったからだ。


 何せ、この状況そのものが、わけが分からないのだ。それで『声の主』が機嫌を損ねてしまえば、俺は手も足も出なくなる。


 ここは、グッと我慢しなくてはならない。そう思った俺は、沸き立つ怒りを荒く鼻息を吹くことで誤魔化し……さて、と。


 とにかく、冷静に……だ。


 声は、やはり己の中から聞こえてきた。気づけば女の子の姿になっていて、自分の胸に質問を投げかける……白昼夢というのは、こういう感覚なのだろうかと、ふと思う。


 本当に、これが夢だったら、白昼夢だったらどれだけ……声が返事をする度にほわりと熱が広がる胸の辺りに手を当てながら、俺は……そのまま話を続けた。



「それじゃあ、俺を元の姿に戻してくれ。この姿では仕事に行けなくなる。それに、早く休まないと明日に響く……なあ、頼むよ」

『――仕事? それは、お前に与えられた役割なのか?』

「役割……まあ、そうだな。お前が何者なのかは知らないが、それで賃金を得ているんだ。このままだと、それが出来なくなる。だから、俺を元に戻してくれ」

『賃金とは、お金の事だな?』

「ああ、そうだよ。だから、早くしてくれ」

『お金とは、何だ?』

「――だから、さっさと戻せってんだろ!!」



 我慢しようとはした。だが、出来なかった。


 『声の主』が、あまりに俺の話を無視した……いや、これは無視というより、会話の流れが理解出来ていないのかもしれない。


 あるいは、俺の考え過ぎというか、気にし過ぎなんかもしれない。


 しかし、端から相手にされず、小馬鹿にされている気分で……はっきり言って、不快であった。


 けれども、その怒りが続いたのは怒鳴りつけたその時までだった。「――っ、すまない、今のは失言だった」我ながら軽率としか言いようがない行動に、堪らず眼前の空間に頭を下げた。



『――それは、怒りという感情なのか? 面白いな、面白い。もう少し、怒ってみせてくれ』



 だが、幸いにも『声の主』は気にしていないようだった。


 というか……何故か喜んでいる。


 こいつはいったい、何なんだ……どうしたらいいんだ。



「……とにかく、俺を元の姿に戻してくれ。このままでは困るんだ」

『それは駄目』

「……どうしてだ?」

『もう少し、この刺激を感じていたい。だから、融合をまだ解きたくない』

「そう、か……!」



 ――駄目だコイツ、まるで話が通じない。


 喉元まで反射的に登って来た怒鳴り声を、ぎりぎりのところで呑み込んで堪える。



 ……もしかしてコイツは、宇宙人か何かなのだろうか。



 そう思って尋ねてみれば、『うちゅう、じん、とは?』という返事が来た。


 我知らず、かくん、と肩の力が抜けた。そのまま、背中からばたりと倒れる。


 ……たったそれだけで、ふわりと下半身が宙に浮きあがり……ゆっくりと、着地した。しばしの間、ぼんやりと天井を眺めた後……ふと、尋ねた。



「ということは、そのうち元の身体に戻してくれるのか?」

『さすがに、ずっと融合しているわけではない。それまでは、今のままが良い』

「……分かった。元に戻してくれるなら、それでいい。だが、時間が来たら絶対に元に戻せ」

『――嬉しい、ああ、そうか、これが嬉しいという刺激なのだな。ありがとう、お前は良いやつ……うん、良いやつだ』



 ……褒められても、ちっとも嬉しくない。



「そうか、それは良かったな。それで、参考までに聞きたいんだが、後どれくらいで限度が来るんだ?」

『どれくらい、とは?』

「……いや、いい。とにかく、俺に危害を加えさえしなければ、それでいい」

『その点については、大丈夫だ』



 ……色々と気になる点が満載なのだが……いや、止めよう。



 その言葉を寸でのところで呑み込んだ俺は、大きく息を吐いた。


 不穏な部分を残したままだが、とにかくは元に戻すと口に出しただけでも、安心出来そうだ。




 ……。


 ……。


 …………いや、いやいや、いやいやいや。


 ちょっと待て、待て、待て待て、待て待て待て、そうじゃないだろ。



(何で俺、普通に納得しているんだろうね……)



 寝転がったまま、がりがりと頭を掻く。我ながら、どうしてかなあと思う。



(……まあ、納得しようがしなかろうが、この状況は変わらんからなのかもなあ)



 答えは、直後に出た。我ながら単純だなと自嘲もした……でも、仕方ない。



 人間、じたばたしたってどうしようもない状況に置かれると、色々と通り越して冷静に成れてしまうのだろう。少なくとも、俺の場合はそうなったわけだ。


 宇宙人なのか何なのか知らないが、融合だとか不穏なワードまで出れば、色々と諦めも付く。俺の肉体を乗っ取って云々でないのなら、この際は我慢だ。



 ……はっきり言って、知りたくはなかったし経験したくもない事だ。



 ぶっちゃけ、聞きたいことは山ほどあった。だが、下手に突くと藪蛇になりそうだし、コイツの機嫌を損ねたくはない。



 ――不幸中の幸いなことに、だ。



 こうして寝転がったまま大人しくしていても、異常が起こる様子はない。


 俺の中にいる、何もかもが不明なコイツは、それでも満足しているのだろう。今の所は俺に話しかけてくることもないし、俺はこうして無事でいられる。


 このまま大人しくしていれば、後は勝手に満足して、元の姿に戻れる。そうしたら、とりあえずは最低限の部屋の片づけをして、明日に備えて……ん?



 ――そういえば、というか、今更な事なのだが。



 女の子になったのは、おそらくは俺の中にいるコイツの姿がコレだからなのだろうが……それとは別に、この身体の異様な軽さは何なのだろうか?


 両手を眼前に掲げれば……何の事はない。見た目だけは、人間の少女とそう変わりない。


 軽く抓ってみるが、感触は……自分の腕とは思えないぐらいにすべすべしているが、まあ……人の肌だ。


 しかし、身体は羽のように軽い。腕も、足も、まるで、細胞の一つ一つに風船を括りつけられたかのように、軽い。


 いったい、どういう原理でこうまで身体が軽いのだろうか。



「……おい、一つ聞いていいか?」

『何だ?』



 返事は、すぐだった。


 もしかしたら退屈していたのだろうかとも思ったが、「どうして、今の俺はこんなに軽いんだ?」あえて無視して俺は熱を放つ胸を上から叩いた。



「正直、動き辛い事この上ないんだ。せめて、普通に動けるようにはしてくれないか?」

『質問の意味が分からない。軽いとは、どういう意味だ?』

「意味って、そのまんまだよ。お前も分かっているだろう? 天井に張り付いたり、身体が浮き上がったり、そういうことだよ」

『質問の意味が分からない。もっと具体的に』

「いやいや、冗談じゃないんだってば。本当に危ないんだよ。何が目的なのかは知らんけど、自傷行為は嫌なんだろ? このままだと、したくもない自傷をしてしまうから聞いているんだよ」

『質問の意味が分からない』

「いや、だからさあ――」

『身体が浮くのは、お前が、身体を引き寄せていないだけだ』

「――は、何だって?」



 思わず、むくりと身体を起こす……この短い間で、俺はコイツ(変な話だが)の事を『会話が下手くそな宇宙人みたいな存在』という感覚を抱いていた。


 だが、ここに来て『そもそも会話というものを理解していないのではないか?』という疑惑が出てくるとは思ってもいなかった。



「……引き寄せるって、どういう意味だ?」

『私にも詳しくは分からない。お前と融合して初めて分かった事なのだが、どうも私と融合したことによって、お前には特殊な能力が備わったようだ』

「お、おいおい、それって大丈夫なのか? 変な後遺症を残したりなんてしないよな?」



 胸の熱の辺りをぱんぱんと上から叩く。『大丈夫だ、後遺症は無い』と、コイツは事もなげに言いやがった……信じて良いのだろうか。



 ……しかし、信じる他あるまい。信じなくとも、現状は何も変わらないのだから。



 加えて、不安しか残らないが、このままではトイレに行くだけでも一苦労だ。だから俺は、「引き寄せるって、具体的に何をするんだ?」諸々を堪えつつ率直に尋ねた。



『そのままだ。ただ、そこへ身体を引き寄せることを意識するだけでいい』



 すると、コイツはそう言った。俺は、自然と白けた目をしてしまうのを抑えられなかった。



(……身体を引き寄せるのを意識って、どういうことだよ)



 堪らず、天井を見上げる……つまり、アレか。


 例えるなら、自分の身体が磁石になったと意識すれば良いのだろうか。S極とN極のように、磁石同士が互いの磁力によってピタッと――っ!?



 ――何気なく……本当に、何気なくだった。



 見上げた天井と、身体が磁石になったのをイメージした。そして、離れた磁石がピタリと張り付くのを想像した――直後、俺の眼前には天井が迫っていた。



「――っ!?」



 反射的に、両手を伸ばした。その直後に、ぶつかる、という言葉が脳裏を埋め尽くし、顔を背けて固く目を瞑った。



 ……。


 ……。


 …………ん、あれ?



 何時まで経っても襲って来ない痛みに、俺は恐る恐る目を開ける。


 そうして開かれた俺の目の前に有ったのは、天井のシミ。


 そして、磁石のように天井へと張り付いている……俺の両手であった。



「……え?」

『天井へと身体を引き寄せただけだ……ところで、今の刺激は凄かったぞ。それが、驚く、というやつなのか?』



 呆然とする俺を尻目に、コイツは気にした様子もなくそう告げた。


 しばしの間、俺は眼前にある天井と、眼下の床を交互に見やった後……足先に、同じイメージをした。



 ――途端、音もなく俺の身体は床に着地した。



 これまでよりも……いや、元の身体で落下するよりも、はるかに動きが速かった。なのに、足裏から伝わる衝撃は皆無に等しく……思わず、俺は目を瞬かせ――。



 がたん、と。


 前触れもなく、窓ガラスが震えた。



 思わず、俺の肩もビクンと震えた。ふわり、と身体が一瞬ばかり浮いた。振り返れば、ガラスの向こうにある、干しっぱなしの衣類が激しく揺れていた。



 ……突風で、ハンガーが当たったのか。



 そういえば、今日の夜は季節風の関係から強い突風が吹くとか天気予報で言っていたな……納得と共に安堵した俺は、軽くため息をついた。


 普段の俺なら気にも留めないが、やはり気が滅入っているのかもしれない。とりあえず、気分転換だ。風で飛ばされる前に洗濯物を入れようと窓ガラスを開ける。


 途端、風が室内に入り込む。飛ばされそうになる身体を堪えつつ、ハンガーごと中へ……そうして、最後の一枚を手に取って窓を閉めようとした……瞬間。



 びゅう――と。再び吹いた突風によって、手に持っていたタオルが夜空の向こうへと飛んだ。



 あっ、と思った時にはもう、遅かった。反射的に伸ばした手の、はるか彼方へとタオルは飛んでゆく。


 あっという間に見えなくなったソレに……俺は、イメージしていた――してしまった、その瞬間。



「――や」



 ばい、と我に返った時にも、遅かった。


 これまた、あっ、と思った時にはもう、俺の身体は窓の向こうへと飛び出していて……気付けば、俺は空を飛んでいた。





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る