第8話伝説の剣

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試験会場の前には何やら立派な金色の剣があった。




剣は艶やかに輝く銀の岩に深く刺さっていた。




そしてそこにはとんでもない数の人が居た。






皆剣の前でお参りをしているのか?と疑問に思っているとロゼリーヌは察してくれたのか。




「あれは、恵みの剣と言われています、神様が天から我々に捧げてくれた神器…と言われています」




と解説をしてくれる、有難いものだ……




しかし神様が捧げる……とするとあの神様がやった事なのか?




「あの剣、見つかってから3000年ほど経つんですけど未だ誰一人剣をあの岩から抜くことが出来ていないんです、それで神様が捧げてくれたなんて言い伝えられたんだと思います。」




「すごいなぁ……でもなんで皆あの剣に向かって手を合わせたりしてるんだ?」




「抜けない事に気づいてからは神様、どうぞ私に貴方様の力をお貸しくださいっていう大事事の前においての儀式みたいになったんです、私達もしましょうか。」




と言ってロゼリーヌは手を合わせる。




俺も頭の中にあの可愛い声を思い浮かべながら手を合わせる。




「…それじゃそろそろ実技試験の会場まで……」




とロゼリーヌが言いかけた途端急にとてつもない勢いの風が吹く。






周りから小さい悲鳴がいくつもあがる。




そして俺は風の勢いによって吹き飛ばされる、目の前には剣が見える。




「ぐえっ!」




俺は何かに捕まるも岩にぶつかって、跳ね返ったところで風は収まった。




周りからはざわめきの声が上がる。




俺は意識が定まらなくなっていた 岩の上でだらしなく倒れる俺、かっこ悪いなぁ。






……いや皆ざわざわするの長くない?




俺はなんとか意識を取り戻し、立ち上がろうとする。




すると手元に何かがあるのに気づいた、結構デカイな。




そこにあったのは立派な金色の剣だった、よく見ると刺さっていた剣に似ている。




そして岩の上を見ると刺さっていた剣はなくなっていた、風によって吹っ飛ばされたのだろうか。




そしてまだざわめきの声は耐えない。






うん、もう現実逃避してる場合じゃないわこれ。






俺はしっかりと神様からの恵みを手に持っていた。




3000年の歴史を塗り替えてしまった。




あんな拍子で抜けるなんて思ってなかったんだ。




……これ俺どうなんの?

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