第3話抽選開始

……で俺は何をすればいいのだろうか。




「あーっとそろそろ接続時間終わりそう……」




神様は少し慌ててるようだ、時間制限とかあったのか。




「最後に貴方のステータス抽選をするわ!!」




「ステータス抽選?」




右から左へ向かってきた単語を跳ね返す。




「異世界での貴方の能力値を抽選するのよ!」




能力値!?そんな物が抽選で決まるのか。




「基本的に能力値は力 素早さ 魔力 防御 運の5つに分かれるわ それぞれくじで数値を決めるの」




「成程……じゃあ早速お願いします!!」




「じゃあ行くわよー 出てきた数値を発表していくからね!ちなみにそれぞれの能力値の平均が50よ!」




なんだかワクワクしてきた どうせなら高くなって欲しいぞ。




頭の中でガラガラという音が聞こえてくる くじを引いているのだろうか。。。




「まずは力!!貴方の力は……」




「力は……!?」






……?急に静かになったぞ?




「えと……そのー」




「時間ないんですよね?早くしないと……」




と急かすと少し間が空き神様は言った。




「4」








終わった




俺の冒険はここで終わった




「ま、待ってまだ4つあるわ!!ちょっと時間ないから一気に引いてくわ!!」




グダグダな抽選会だが俺はほかの能力値で挽回を図るしかない……頼む!!




「えっと……すばや……え!?、、、素早さ9」




ぐさっ




「……防御14」




ぐさっ




「魔力じゅうな」






プツン




とそこで神様の声は聞こえなくなった




時間切れと同時に俺の異世界ライフは終わりを告げられたようだ。




俺のライフももう0だ。








力4素早さ9防御14魔力17(推定)運???※平均50








なにこれ




ゲームのチュートリアル用の雑魚キャラのようなステータスに思わず涙が零れた。




こんな結果では発表されてない運もまるで信用出来ない。




俺は途方に暮れ 憂鬱なまま森の中を歩いて言った。






森の中にはいかにもファンタジーらしい角を生やした牛のような生物やスライムのような奴らがいた。




近づいても襲っては来なかった。




歩き進めていくと広い草原へとたどり着いた。




俺は空を見上げた。






まさに俺の心を表しているかのような曇り用だ。涙が出る。




俺は座ってため息を吐いた。




「危ない!!」




声が聞こえた。脈絡もなく




そして俺の横を何かが突然通り過ぎたかと思うと






重苦しい爆発音が響いた、空気が震える。




振り向くと何本もの木が燃えていた。なんなんだ!!?




「ギャオオオオオオオオオオオオオ!!」




咄嗟に耳を塞いだ。なんつーうるささ……




音のした方へ振り向くとそこにいたのはドラゴンだった。












何を言ってるか分からないと思う、俺もだ。




ドラゴンは俺に向かってにじりよって来る。




間違いなく主人公の相棒的なポジションの奴ではないだろう。




肌の色は赤黒く目は血走っていて涎を垂らしている。




ラスボスの魔王の手前のボス的な風貌に俺は死を確信した。




ん?あの危ないって言ったのもこいつか?案外可愛い声だな。




「何ぼうっとしてるんですか!」




現実逃避を仕掛けていた脳に響く。




声のした方をむくと女の子がいた。




The魔術師って感じの服装にThe魔術師って感じの杖を持っていた。髪は白色のロング。




端麗な顔立ちだが肌にある引っかき傷が生々しかった。




「早く……逃げないと!!」




と女の子は俺の手を掴んで森の中を駆け抜けた。






ドラゴンは追って来ている……ってあっ!?






突然謎の風が吹き女の子と俺は一緒に森の中まで吹っ飛ばされた。






「あの……大丈夫ですか?」




風によってドラゴンをまけたのはいいものの俺は風によって木に叩きつけられた。




「うん……」




死にそうな声で返す。




「えーっと……私はロゼリーヌと言います」




おずおずと心配そうに自己紹介を始めた。




「俺は……巧です」




ロゼリーヌは不思議そうな顔でこっちを見る。




「タクミ……さん?珍しいお名前ですね」




……まあ異世界において名前の常識とは変わるもの お約束である。




とりあえず一息付き 現実を見てこの状況をなんとかする方法を考えよう。






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