あの雲に向かって

@higaann0924

第1話

「野田累と言います」

僕達のクラスにその子は突然やってきた。

蝉の声が飽和する教室 空には悠々と積乱雲が浮かんでいる。

蝉の鳴き声と「累」と言う名前に妙な懐かしさを覚えた

その子は純日本人だと言うのに目は綺麗な紺青色をして、髪はさらさらの綺麗なムラのない茶髪だ

僕は彼女から目が話せなくなった。

決して、恋とかそういうものでは無いと、そう信じたいものだが。

累さんはコミュ力が高く直ぐにクラスに馴染んでいった。僕は人気な彼女をただただ横目で眺めているだけだった。

彼女が転校してきてから約2週間が経ち初めて知った事が彼女と家が近いという事だ。(なぜ2週間も経ったのに気づかなかったのか謎だ。)

彼女の目はどこか遠くを見つめているようで綺麗だった、顔も整っているし、あわよくば話せたらーーなんて思ってはいたけどこんなにすぐチャンスが来るなんて。。この時ばかりは神様に感謝した

「お、おーい!のーだーさーん!」

野田さんは綺麗な茶髪を翻し振り向いた、と同時に胸が高鳴った。「あれ?坂本くん?だっけ?」覚えててくれたのは嬉しい。「野田さんもここから帰るんだ」と言った僕に少しドキッとして「ええ、そうね」と答えた。やはり声もおしとやかだ。

僕と野田さんは少し歩いて野田さんは細い路地裏の所で「私はここ左に行くから、また明日ね、坂本くん」と言って行ってしまった。

今日は一緒に帰れて(と言っても途中までだが)楽しかった。あの日から僕達はよく一緒に帰るようになった。でも、野田さんは細い路地裏に姿を消してしまう。

路地裏の先に家があるのか?だが、路地裏は暗くて先が確認出来ない。

僕は怪しさと興味を抱いてまた野田さんと帰るのだった。

怪しさと興味が最高潮になった時野田さんにきづかれないよう路地裏に入っていった。

そうすると野田さんは消えた。ほんとに、物理的に消えたのだ。と、同時にものすごい明かりに包まれた。僕が行き着いたのは路地裏を抜けた所にある野田さんの家

ではなく天国か?異世界か?

信じられないような光景が広がっていた。

ファンタジー小説でよく読む、空に浮かんでいるお城や、広大な湖の中の海底都市まるで古代ローマのような街並みだが、生活環境は普通ではない。

人々は皆外国人顔をしてあるが、日本語を話している。ここは日本なのかどうなのか感覚がおかしくなりそうだ。何より、目の前の光景が信じられない。

「こんな薄暗いとこでビビってても逆に怪しまれるよな…背中に翼が生えてない人もいるっぽいし堂々としよう。逆に堂々としてて怪しまれないか?」

と頭の中がぐるぐるする

まずは野田さんを探そうと決めた。









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