第7話 不思議の国のアリス~案内~

「ナッツさんとマッドさんは仲がいいんだね」

「仲いいつーか、ただの腐れ縁だな」

「腐れ縁ってなに?」

「なんつーか、物心ついた時からいたやつ?兄貴みたいなやつだな」


笑いながら話すナッツさん。


「ナッツさんは、マッドさんのことが好きなの?」

「はぁ?そんなわけねーだろ、そんな風に見えるのか?」

「ナッツさん笑顔だけどなんか辛そうな、我慢してるように見え…」

「そんなことより、アリスはいるのか?好きなやつ」

「そ、そんなのいないよ!///」


顔が熱くなったのがわかる。

きっと今自分は顔が真っ赤だろう


「へぇ~いないんだな、じゃあさ、」


そういいながら、怪しげな笑みを浮かべて近づいてくるナッツさん。


「ナッツさ、ん?…」


なんだか少し怖い…


「俺なんてどう?」

「どういうこと…」

「わかんねーか、こういうこと…」


そういって顔を近づけてくるナッツさん。

怖くて目をつぶる。

唇が触れそうになる瞬間、

バシッ!

というにびっくりして目を開けると


「この発情ウサギ、なにやってんの!」

「ったぁ~!何すんだよ、チェシャ猫!」


チェシャ猫…?


「こんな子供襲うなんて、狂ってるよ!あぁー、こんな涙溜めて、このバカ!」


そういってナッツさんを殴ってるチェシャ猫さん。

うすピンクと濃いピンクのボーダー柄のダボダボつなぎパジャマを着ていて、猫耳としっぽがある。


「助けてくれてありがとう」

「いいよ、このバカがごめんな、ほら謝れ!」

「悪かったな…俺のタイプに似ててさ~」

「あ"?殺されたいか?」


チェシャ猫さんがすごく怖い顔になった…!


「すいませんでしたぁぁ!!」


すごい早さで土下座したナッツさんにびっくりしながら、


「えっと、あなたは‥?」

「僕はチェシャ猫。アリスのことはスノーから聞いてるよ。スノーが君を置いてったから、スノーの代わりに僕がきたんだ」

「そうなんだ」

「さぁ、スノーの所へ案内するよ」

「え?俺は?」

「土にでも埋まってたら?」

「ひでぇな!!」

「じゃあ、行こうか」

「あ、うん。またね、ナッツさん」

「あぁ」


「もう会えねーだろうけど」


そう言ったナッツさんの言葉に僕は気づかなかった。

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