第3話 私が楽しむ大学日本拳法

踊りとしての日本拳法

自己表現としての戦い



<花>

 世阿弥が言うところの、「絶対的な花(美しさ)ではなく、場と間合いとタイミングがきっちり適った瞬間に生ずる相対的な花の美しさ」。

 日本拳法においては、力任せのそれではなく、場と間合いとタイミングに合致した、観る者が思わず「そこだ !」「待ってました !」と、うなるような面突き。



<幽玄(の美)>

 「厳に花の咲かんがごとし」

 力強さという裏付けあっての幽玄(の美)。



<初心忘るべからず>

 初心(2年生の時のストレートで激しい拳法)と蘭位(4年生の成熟した戦い方)とは一円相の如くつながっている。

 円というよりも、蚊取り線香の中心を上に引き上げたような、スパイラルな曲線を描いて成長し、収束していく。


<マネージャーたちの戦い>

 他を活かす努力が自分の存在を確実にする。

 「滅私奉公」という、恣意的(論理的に必然性がない)で、暗黙の内に強制的な意味合いのある一方的な「奉仕」ではなく、又自分の存在を強調するための偽善的なサービス・補助でもない。

 もっと積極的で、自主的な、自と他とのインタラクティブ(双方向的)な関係作りを目指す。

 他人を活かすことで自分が磨かれる。

 すでに2年生の頃からそういう意識をもち、自分と戦う彼女たちの姿。

 そういう精神的な姿勢や、目に見える姿というのは、試合会場では(選手たちの陰になって)なかなか見れないものでしょうが。




写真に芸術性を求める

構図に凝る、瞬間を逃さない、その場の雰囲気・人の心を写す


https://stat.ameba.jp/user_images/20190613/23/meiji-kempo/24/f1/j/o1080080914463487000.jpg

この一枚を撮るために、どれだけ場と間合いとタイミングに苦心したのでしょうか。


 凝る(意匠などに工夫をほどこす)

 彼女たちは、選手たちの「自分を追い込む姿」を間近に見ながら、そういう彼女たち自身もまた写真の構図や明るさ、光の角度、背景の選択といった一枚の写真に集中し、のめり込むことで、真実・本物に近づこうと努力している。 


 また、肉体的精神的に自分を掘り下げる選手たちを見て、マネージャー自身もまた、より深く自分の心を掘り下げ、より柔軟で幅のある考え方を身につけているように感じられます。


 <引用始め>

全国選抜を2日後に控えた本日は、打ち込み・空乱などを経て、ビデオ研究やトレーニングに各自勤しみました!

・・・

これは3年生達の様子です。彼らの同期のマネが送ってくれました!

さすがに3年生ともなると落ち着いていますね。


どことなくジャケット写真感があります笑


https://ameblo.jp/meiji-kempo/image-12480373474-14464786628.html

<引用終わり>


 マネージャーの場合は、選手と違い、むしろ凝ること・工夫すること、思索することを楽しんでいるようです。


 

○ タイムの声が聞こえにくい事を考慮し、最近ではマネージャーが背中合わせでタイムを叫んでいます!??

https://ameblo.jp/meiji-kempo/entry-12464876365.html

 選手が一丸となって声を出し練習を盛り上げているからこその状況だと思うと、嬉しい事だなと感じます??

 4年マネの阿部がこの光景が好きだそうで、沢山撮った写真を送ってくれたので、お気に入りの一枚を貼らせていただきました笑



○ 選手は練習で自分を追い込む。マネージャーはその業務の中で自分を追求する。


<引用始め>

 1年ぶりの高幡不動でしたが、同期では去年の思い出話に花を咲かせておりました!


 1年前の出来事ですが、本当に昨日のことのように覚えております。

 雨の中荷物を引っ張り、帰り道に寒い中アイスを食べたなとか、このホームの見覚えあるなとか、エレベーターに乗る人とエスカレーターに乗る人に別れてしまったため、エレベーターに乗った者がなかなか来ず電車に乗り遅れたなとか、少し情けない思い出も蘇ってきました??

 昨年は1年生で右も左も分からない状態で先輩方にご指導いただきながら初めての個人戦である高幡不動に臨みました。

それが、本日は後輩である1年マネ岩塚に指導をするという立場で臨んだ高幡不動となりました。

 本当に1年はあっという間に過ぎ去るのだなと痛感いたしました。立場も変わり、今は私たちが指導する立場です。

 私はいつも失敗ばかりで、まだ後輩に指導できるようなそんな人間ではないのかもしれません。

 説明も下手で、後輩の日々の成長を感じつつも、上手に褒めることもできないような指導者には向かない不器用な人間です。

 しかし、来週以降大会が連続し、後輩が1人でマネージャー業に専念しなくてはいけないことも増えます。

 そんな中、チームのためにできることをしたいと必死で努力する後輩のために私が教えられることは何なのか、チームの優勝に貢献するために私自身がさらに高めなくてはならない意識は何なのかをしっかりと考え、行動し、同期と力を合わせて頑張っていきたいと思います。

<引用終わり>


 頭の良い方です。

 私なんか、昨日の夕飯のおかずでさえ、覚えていないというのに・・・。


 「Once Upon a Time in America」1984年 アメリカ(監督 セルジオ・レオーネ) という映画を思い出しますが、この方は単に昔話で終わらせないところがなかなかです。

 過去の思い出から現在を見て(分析して)、さらに未来へ向けて自分を励まし・自分のチームを盛り立てていこうという点で、選手と同じように自分と戦い自分を追い込むことで、自分を高め・チームに貢献しようとされている、ということなのでしょう。



<続く>



2019年6月13日

平栗雅人



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