第2話 ゾンビとミイラ


https://ameblo.jp/rikkyo-kempo/entry-12475947706.html 



 シュールレアリスム写真大賞


 約20名の1~4年生の女性戦士たちが、思いっきり明るく新鮮な笑顔を見せてくれているのに、左端下に座る二名だけはまるで墓場から甦ったゾンビのように暗い顔。また、位置的にその対照となる右端上には、数千年前のミイラかと見紛うほどの、ある種、存在感の漂う二人(二体)が立っている。



 真ん中の新・鮮・美を、両脇の古・腐・醜が挟むような位相となり、単に、美しい・嬉しい・楽しいという写真にはない、一瞬、戸惑いを感じさせる強烈な印象を観る者に与えている。


 右端下の胴着を着た3人の、いかにも健康的でストレートで、強烈ともいえるほどの朗らかさと、一・二列目3・4年生の落ち着いた笑顔、その後ろ三列目のいかにも元気がいい2年生、そして一番後ろの1年生のちょっとぎこちないポーズ。

 各人・各学年がそれぞれの個性を発散させながらも、全体として美しい調和を醸し出しているのだが、そのフレッシュさを、左端のおぞましい顔(メイク)の二人と、右端の奇妙な二体のミイラがさらに画面から浮き彫りにしている。


 彼女たち・彼らは、まるでカレーのうまさを引き出す福神漬けか、牛丼の味にリズムをつける紅ショウガのようです。


 都会派の感覚を持つ女性たちならではの、アバンギャルド・シュールレアリスム・前衛芸術、関東女子面々の強烈な個性とチームワークが織りなす「作品」といえるのではないでしょうか。



 「燃える闘魂」をシュールに表現したかのようなゾンビ風メイクのお二人は、明るくてフレッシュさあふれるギャルを見て安心している私たちの心の虚(きょ)を衝くことで、関東女子たちにみなぎる闘志を強調するという裏技(フェイント・引っかけ・駆け引き)を見せています。

 さすがは4年生の力技、といえるでしょう。



 驚いたのは、こういう「嘘(うそ)による戦い方」を、超真面目で嘘のない拳法(フェイントや駆け引きのない、ストレートでクセのない戦い方)という点で関東女子の二大巨頭とされるお二人が、演じているということ。

 日本拳法の試合においても、より積極的にもっと意識的に、こういう(虚(きょ)を衝く)戦い方をされれば、試合の勝ち負け以上に日本拳法を楽しめるのでは、なんて思うのは赤の他人で傍観者である私だけではないはず。




 家族や連合い、友人知人に対して或いは人生においても、誠心誠意・嘘のない生き方は大切です。


 しかし、嘘やはったり・脅しや威嚇といった、国際社会で韓国人がよくやるような「ずるい」手段は、アマチュア・スポーツの世界とはいえ、ことリングの上(試合場)では、反則にならない限り許容されています。


 例えば男子の試合で、金蹴りを食らい、大して痛くもないのに大仰に騒いで試合の流れを中断し、相手のリズムを崩し、罪の意識を与えて相手の心を弱体化させるなんていうのは「従軍慰安婦」や「徴用工」と同じ、一種のプロパガンダ(煽り・はったり)。


 日本人(縄文人)としては、そういう雑種・混血民族のやるような手段で勝つことに武道としての喜びはないし、後味の悪さばかりが残る。



 一方で、きれいなフェイント、ハッとするような間の入れ替えやタイミングの妙。そういうものを見ることは、それが騙しであり、嘘(うそ)であるということを知りながら、実に気持ちが良い。

 また、個人としての日常生活や或いは仕事において、自分が嘘やはったり詐欺や脅しに乗せられない・だまされない・被害を受けないために、自分自身が日本拳法の試合の中で、そういう「嘘」や「騙し(トリック・虚きょを突く)」をしてみるということは、貴重な学びともなるでしょう。

 世に氾濫する嘘や騙しに慣れるために、せめて試合場の中で、3・2分間、そういう戦い方を3・4年生の時期にやってみるのもいいのではないでしょうか。

 


 純真な魂の激突が売り物である、かの甲子園における高校球児の戦いにおいてさえ、虚々実々の駆け引き(嘘やだまし合い)がある。

 米・西独映画「眼下の敵」1957年で、ドイツUボートの艦長と米国駆逐艦の艦長とは、何事に対しても正直で真面目で真摯に取り組む愛情の深い人間でありながら、チームのリーダーとしては、冷徹な心で智謀を駆使し、虚々実々の駆け引きによる戦いを実行していたではありませんか。

 (私自身は、そういう虚(きょ)を突く、タイミングをずらすといった器用な戦い方はしないまま、4(5)年間の大学日本拳法生活を終えてしまいましたが。)



 「ミイラ」のお二人も、素晴らしい演技です。

 人間にあらざる、蝋人形か木か石かというレベルにまで自己を滅却し、禅でいう「父母未生以前の自分になり切った姿」は、まさに悟りの境地。

 白黒写真かと見まちがうほど古色蒼然たる彼らの存在は、その陰の効果・負の働きによって、逆に溌剌とした若々しい女性たちの「今」を、より鮮明にしてくれています。

 甘ーいお汁粉に入れる、少量の塩のような効果でしょうか。






 <引用始め>



 さて、みんなが新座キャンパスで練習している間、


 私と1年藤村は日本大学にて行われた東日本女子合同練習に行って参りました!!




 全国選抜に向けて最後の追い込みとなる今回は、人数も多くいつもより濃い練習になりましたボクシング炎



 東日本女子が3連覇できるよう、当日は全力で応援したいと思います??????



 <引用終わり>



(注)文字列のコピーという操作によって、絵文字が、若干意味不明の漢字や記号に置き換わっているため、多少読みづらくなっておりますが、敢えてそのままにしました。



2019年6月12日


平栗雅人

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