第2話 「俺だって届く時は届く」
昼田さんと一緒に勉強をしていた俺は、彼女と話す内にますます魅力を感じていた。
いやだって本当にかわいいんだもん。
分からない問題を聞いてくる時の昼田さんのうるっとした目、なんでこんなにかわいいんだ、もう。
「あぁ、この問題はね...」
俺は冷静な紳士を装って的確なアドバイスを与える。
今回ばかりは本当に俺にもラブコメチャンスが到来したんじゃないか?
そんなこと今まで数え切れんぐらいあったけどさ。
「国近くんってとってもやさしいんだね」
むふっ。
なにこの俺には勿体ないような台詞は。
最高すぎて心臓が単振動してるんだけど。
「俺は昼田さんに勉強を教えたいから教えてるだけだよ」
ちょっとかっこつけすぎか?
いやいや、これぐらいの方が女の子はキュンとするよな...。
ちなみに、今勉強しているのは国語だ。
どうやら彼女は文系科目が苦手らしい。
「国近くん...もし良かったら、今度また一緒に勉強してくれないかな?」
んんんんん?
まじかよ、え、まじかよ。
なに?昼田さん本当に俺に惚れてるんじゃないの?
いや、さすがに今日初めて会ったのにそれはないよな。
「俺でよければいつでも付き合うよ」
はいラブコメ主人公的セリフ来たこれ。
彼女いない歴=年齢のガリ勉非リア高校生、国近未来にも遂に春が訪れるんだね。
「ありがとう。あ、じゃあ連絡先教えてほしいな...」
「LIINEでいいかな?」
「全然、大丈夫だよ」
こうして俺は一日にして昼田さんとLIINEの連絡先を交換してしまったのである。
こんなことってありえるのか?
なんか気分いいしまあいっか。
その晩、昼田さんから一緒に勉強したことへの感謝のメッセージが届き、一人で発狂していたことは言うまでもない。
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