素敵な夜になりますか?
はい、というわけでやって参りましたクリスマスイブ!
去年は何やかんやでぼっちクリスマスだったので今年は去年の分も含めて楽しまないと!
いそいそと勝負パンツに履き替えて……おっとっと。
よいしょっと、はいオッケー。
12月なので結構寒いけどミニスカート、ニーハイにブーツ。んで生足と……
このちらっと見える肌色がいいのよね〜。
ホテルのバスルームであれこれ着替えて今日はこれにキマリ。
因みに時刻は早朝5時半、当然ロクくんはまだ夢の中、私は一人でバスルームファッションショーをしているわけで。
昨日はロクくんもお疲れだったからまだしばらくは起きてこないと思うし、こうして早朝から着ていく服を選んでいるの。
ひとりファッションショーを終えて部屋に戻ってもロクくんは可愛い顔をしてまだぐっすりと眠っていた。
「ふふっ可愛いなぁ……食べちゃいたいくらいね」
いつもは毒舌家でクールなロクくんもこうして寝ているときは年相応でまだ高校生なんだなぁって思う。
ちゅっ。
えへへ〜。
「ん……ぅんん……」
くすぐったかったのか、ゴロンと寝返りをうつロクくん。と、さっと隣に潜り込んで密着する私。もちろんパッと服は脱いである。
「うふふ〜ロ〜クく〜ん」
ロクくんに引っ付いて頬ずりしつつ暖かい布団の中でいるといつの間にかウトウトてしてしまい……
「先生、先生っ」
「ん〜もう食べれないから〜」
「先生、もうお昼ですよ?先生っ」
「ぅぅん〜おかわりはいらないの〜」
誰かが身体を揺すっているみたいだけど、このぬくぬくとしたお布団の誘惑には抗えない。
「んん……あと5分……」
「はぁ全く朝早くからバスルームでごそごそしてるからですよ……」
「んふふ……ロクく……ん……そこは食べちゃ……ダメ……」
「何の夢を見てるんですかね?この変態先生は?」
「……ぁっ……ダ……メだって……」
はい、夢の妄想のおかげで寝過ごしました。起きたら夕方でした……クリスマスイブ半分終わってるし。
「ふぇぇ〜ん!ロクく〜ん!クリスマスが終わっちゃうよ〜」
「また変な夢を見てたんでしょう?よだれの跡がついてますよ」
ごしごし……
「ロクく〜ん!クリスマスがぁ〜!」
「はいはい、まだ夕方ですから大丈夫ですよ。ちゃんと服着てから出かけましょうね」
「……はい」
ロクくんによしよしと撫でてもらってから着替えをしにバスルームに入る。朝ひとりファッションショーをしたから服が置きっ放しなんだ。
よいしょっと……ん?あれ?
え?おや?
…………
「あれ?先生どうしたんですか?」
「ロクくん……お腹痛い……」
「はい?」
「…………」私は黙ってお腹をさする。
「あ、ああ。なるほど」
「ふぇ〜〜ん!ロクく〜ん!」
ぐずぐずっロクくんに抱きつく私。
「仕方ないですよ。女の子ですから」
「ひっくひっく」
「はいはい、よしよし」
こうして私はホテルのお部屋でぐったりとしたクリスマスイブとクリスマスを過ごしたのでした。
だって……お腹痛いんだもん。流石にちょっとムリなんだもん……
2日間ロクくんはそんな私に付き合ってホテルの部屋で一緒に過ごしてくれた。期待したあれやこれやは出来なかったけど、たっぷりとロクくん成分を補給出来たからそれはそれで良かったのかもしれないけど……
窓から見える夜景の中の観覧車はとても綺麗だった。
ロクくんは私をそっと抱きしめて、また来年一緒に来ましょうねって言ってくれた。
「絶対だからね!絶対来年も来るんだからね!」
「はい、来年も一緒にですよ」
「絶対よ!」
「はいはい」
しつこく言う私に苦笑しながらもロクくんはちゃんと約束してくれた。
帰りのロビーで来年の今日、部屋の予約までしてくれて。
「さて、じゃあ帰りますか」
「うん……ごめんね」
「謝るようなことじゃないですよ。それにほら、予約までしたんですから少なくとも1年は付き合ってもらいますから」
そう言ってロクくんは私の手を握って少しだけイジワルそうな顔で笑った。
「再来年のも予約しとけばよかった……」
「いくらなんでもそれは無理ですって」
そんな色々な意味で想い出に残るクリスマス。
きっと来年はイチャイチャしてやると心に誓ったクリスマスだった。
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