第584話

(なるほど。マジでこの人自己評価低いんだ。でも結構ドスケベであらせられる……と)

 少し話し込み、彼女についてある程度把握したのでそれなりに納得感と満足感を得た。

 では次になにをしようかっていったらね。こっちの結嶺ちゃんはそりゃもう茶目っ気がすごいもんだから。

「――そういうことなら花菜さん。兄さんを喜ばせる方法知りたいですよね?」

「……! そ、そらもう! 是が非でも!」

「じゃあ、こういうのはどうですか?」

 と、言いながらベッドの下やら本棚やらクローゼットやらから彼のお気に入りをぽぽいがぽーい。

 何故把握してるから触れないでおこうかな。

「あーとーはー……っと」

 机の引き出しから外付けハードディスクとUSBメモリとCDを出して彼のノートPCを起動。

 準備は整った。

「こ、これは……?」

「兄さんのお気に入りのエッチなやつ諸々です」

「ほ、ほう……」

(こ、これ見たらあかんのちゃうかな? で、でも才様の趣味……気になる……っ)

 止める間もなく出された彼の大事なモノを見てしまって罪悪感に襲われつつも好奇心が勝る。

 だって好きな人の性癖だよ? 知って損はないし、彼女の場合は得でしかないわけよ。

 既に致してる関係だし、彼女も積極的だからね。

「じゃあまずは画像の方からいきますか」

「う、うん」

 そしてUSBメモリに保存されてる画像を見ていくと、あることに気づく。

「な、なんや……黒の短めの子が多いねぇ? 体のほうはほどほどの子……」

「兄さん黒髪好きで、ロングもだけどボブくらいが良いみたい。体はスレンダーよりで胸も少しあるほうが好きみたいですよ。たまにロリ系とか巨乳モノもありますけど」

「ほ、ほう……」

 つまり彼女の体型がドストライクってことよ。彼女は細すぎず太すぎず。胸もDからEくらいだしね。

 ついでにトラブルもないし。童貞男は色とか形が綺麗なのを好む傾向があるからねぇ。上も下も。

 あーでもドストライクではあるけど満点ではないか。だって。

(……短いほうがええんや)

 平安貴族であれば髪の長さは重要だったけれど、今の時代じゃ短いのも十二分に女性らしさを出せるからね。

 美とは時代やら様々な要因で変わるもの。もちろん顔などもね。

「それじゃあ次は動画のほういきます? たしか兄さんのお気に入りはっと」

 自分の髪に触れながら考え事をしてる間にも結嶺ちゃんは止まらないねぇ。とうとうイヤホンぶっさして動画を見せ始めたよ。

「け、結構ハードかもですけど。兄さんを喜ばせるためですのでふぁいと!」

 と、言われても。今見せられてるのは……。

(……に、似たようなこともうしてもうた)

 黒髪ボブでスーツを着た女性が男性を押し倒して無理矢理しているやーつ。

 ロングで着物っていう些細な違いはあるものの、ほぼほぼやってるんだよなぁ~。

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