第454話

 そうそう。何故、かれ魔力迷廊ラビリンスはぐちゃぐちゃだったのか。それは超越者イロアスに至れる素材ものには楔を打つようになったからだよ。システムがね。まぁソレそのものが……いや、このあたりはまた今度でいいかな。

 システムは本来この宇宙せかいに存在する知的生命体の進化を目的としていた。

 誰がそれを目的としたのか。誰がシステムを作ったのか。そもそもそのが存在しうるのかはわからないけど。少なくとも進化を促すシステムがいるんだよ。

 オーガスタ。君が私を神かもしれないと思ったのは恐らくそのシステムのことだろうね。

 話を戻して、そのシステムによってかれ神薙羅かのじょリリンやコロナのような種を逸脱した存在が生まれるようにできていた。

 けど、どんな精密なモノにも不具合は生じる。長い時を刻んでいればおのずとね。

 このシステムのバグは……言うなれば保身……かな?

 自らの計算を狂わすほどの進化を遂げてしまう存在。自らの役目を奪えてしまう存在。自らの力を越えてしまう存在。

 そういったモノにを覚えたんだよ。

 誰からも、認知されていなかったのに。被害を恐れたんだ。管理者システム風情が。

 だから膨大なマナを持つかれはそのマナを使えない。

 だからコロナは自らの力に焼かれていた。

 だからリリン特別とくていの相手でしか繁殖しようとしない。

 全ては神の思し召しなんだよ。

 我が娘――ロンダニーニが私の肚にいた頃。脳以外のパーツが創られなかったのも、ね。

 私への楔は半端な子供しか造れない子宮はらだったというわけだ。

 まったく腹立たしい。力を与えたのはあちらだし。ちょっかいかけなきゃ私も介入しようだなんて思わなかったろうに。だからこそのいらぬ保身。バグなんだろうね。

 うん。そろそろ気づいた頃だろう。察しの通り私は神誓魔法師。この星で最初の神誓魔法師だよ。

 始めてが故に私は大きな力を得た。

 ちょーど良いから神誓魔法師についても色々と説明しておこう。

 神誓魔法師と呼ばれる者たちは総じてシステムから力をもらっている。共通する能力は

 なんらかの支配力を持つんだよ。

 私は……そうだね。最初ということもあってかなり曖昧なモノだよ。

 いくつもあると言えるし。かといってから逸脱してるわけじゃない。

 そうだね。その中でも君たちが興味を引くとなれば……『星庭はこにわ』かな?

 私はね、いくつか星を持ってるんだよ。

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