第372話
「と、まぁ一年生にもクセ強いのいるけど、他学年も大概なわけよ」
二年、三年の話も聞くと。
たしかにそこそこ、クセがあるのもいるみたい。
つっても、俺たちよりクセはないみたいだけどな。
一年……いや、一年E組以外セーフティから出て自分の体使うヤツもいないし。
そう考えるとめちゃくちゃ変態プレイかましてるな俺たち……。
でも仕方ないよな。
最初にそう仕向けたの
そのあと俺だけ
俺の人生って大人に振り回されてばかりな気がするわ。
別に良いけど。
「情報はそこそこあるし、このまま対策やら特訓……っていきたいけど」
「そんな余裕あるわけないでしょ」
「明日の午後から始まりますもんね」
リーグ戦について話されたのが11月末。
で、始まるのが12月頭。
めっちゃ急すぎるんだよなぁ~。
でも、今思えば納得はできる。
はじめての召喚のときや関係ない学年まで他学年の試合を見学できるようになってたのはこういうことだったんだな。
それに、小咲野先生は最初の授業で言ってた。
良い成績を残せばEクラスから上がれるかもって。
全部この12月のリーグ戦のことを指してたんだろうよ。
8ヶ月越しに伏線回収とか勘弁してくれよ先生。
「もっと早く言ってくれたら色々準備もできたのにさぁ~……。ひっでぇよあのしかめ面……」
「いやいやミス伊鶴。準備ならもうできてるだろう?」
「……まぁね」
ミケが言ってるのはたぶんネスさんのとこでのやつだな。
そらあの人にいじられたら確実に人間の域は越えるだろうよ。
しかも、夕美斗と違って一夜漬けじゃない分。不自然な混ざり方もしてないからリスクは大きく下がってるはず。
あとは夕美斗みたく変化に上手く順応できるかだな。
「それに、リーグ戦が終われば来年度まではフリーじゃないですか? こう、わかりやすい長期休暇があるとやる気が出ますよね」
「その三ヶ月半もミスターによって潰されるかもだけどね。夏休みみたいに」
「その話はするんじゃないよ!」
「せめて里帰りはさせてもらうつもり!」
「ちょっと諦め混じってないかタミーよ!?」
「私も久しぶりに実家に顔出さないとだから拘束されるのは困るなぁ~。瞬にも会いたいし」
そっか。そういや休みに入るのか。
つっても俺は実家に帰るどころか実家がなくなったし。学園に残ることになるだろうな表向きは。
たぶんカナラん家かネスさんのとこでまた色々と自分らいじり回すことになるって思ってる。
あ、でも結嶺には会わないとダメかも。
今でも頻繁に連絡来てるからなぁ~……。
再開する前は兄離れできてたってのに。
……てか、灰音についてはどう説明しようか。
俺的には隠したいけど、灰音が余計な口を開かないとも言い切れない。
釘、刺しとくか。
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