第8話 謎の死人

政府の発表から3週間、

月8,000円での生活を余儀なくされた国民達は、

意外と順応していた。


家族で住むモノや親戚から野菜を貰うもの。


人は助け合って生きているらしい。


しかし、中には万引きや強盗、カツアゲなどをするモノももちろん出てきた。


同じアパートの201号室の男性は、ひったくりをして捕まったそうだ。


しかし、数日後には釈放され、普通の生活に戻っていた。



男はというと、会社の同僚の家族から野菜をもらったり、

みんなで鍋をしたりと無理やり、やりくりする生活をしていた。


こんな状況でも職場に出向き、仕事をする我らはどうにかしてると、

自分を含む狂った集団に呆れながら感心していた。



この会社でも、ロッカーからお金が盗まれたりの事件が多発していた。


犯人は見つかったり見つからなかったり、社員同士の信頼関係にも明らかに影響が出ていた。




そんなある日のニュースで、政策が始まってから国中で謎の死人が出ていると報道されていた。


その人達は、殺人犯多数、大物政治家多数、大物経営者多数、その他多くの明らかにお金を持っていそうな人たちばかりが亡くなっているとの事。



謎の連続死に怯えながらも、お金持ちへのやっかみを言っている同僚の小言にも少し頷いていた。



そして、数日後にはその同僚も亡くなった。

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