第121話 白き浜、蝕む者
順調だった船旅を終え、目的の孤島へ上陸した俺たちを待ち構える様に嫌な気配が砂浜を包む。
「・・・やけに早いお出迎えだな。どうやら俺たちは歓迎されているらしい。皆、気をつけろ。来るぞ!」
ドン ドン ドン ドン
俺が皆に注意を促すと同時に雪のように真っ白い砂浜の下から激しい音と共にいくつもの砂柱が上がった。砂の中に隠れていたのか?
「こ、こいつは・・・!」
砂柱が収まり姿を現したそれは以前も見たことのあるものだった。
正確には同じようなものを見たことがある、だな。
「む!これは大森林にいた・・・」
どうやらハビナも気が付いたらしい。
グゲッーーー!! キシャァーーー!!
ワイルドサハギン(蝕)
魔獣
物攻 220
魔攻 100
防 220
敏 180
目の前の魔獣を竜眼で確認する。ワイルドサハギン、魚系の魔獣か。
名前の後ろには(蝕)となっており以前大森林でハビナが戦ったリュカンティスと同様に黒いオーラに包まれている。
「ワイルドサハギン、と言うらしいな。」
「サハギン?あまり手強い印象がないですが。この感じは・・・」
「ああ、強化されている。偶然か故意かはわからないがな。」
ライーザさんはやはりそうですか、と言いながら魔獣に対し剣を構える。
通常の魔獣と違うという事を理解しているみたいだ。
「まーとりあえず全部やっつけなあかんのやろ?真っ黒でうじょうじょしとって気味悪いけど。」
「結構数がいるね。囲まれないように気を付けないと。」
「片っ端から私の爪の錆にしてくれる!」
「あたちが出る幕はなさそうですね!というかアレに触るの嫌なのです・・・」
他の皆もやる気は十分だな。スララを除いて。スララは得物を持っていないため魔法以外では自前の爪か牙になるからな。気持ちはわかるが。
「スララ。働かざる者チーズ食べるべからず、だぞ。数は20体程か・・・皆!半分は俺が持つ。俺の見立てでは残りはお前たちなら大丈夫なはずだ。だがヤバそうだったらすぐに言ってくれ。」
俺の言葉にスララは頑張るのです!と意気込み他の連中も了解!と元気に返してくれた。
ちなみに現在の皆のスペックはこうなっている。
ギンジ・スドウ
人間 男性
レベル 37
物攻 1000
魔攻 1000
防 1000
敏 1000
スキル オートMリカバー 双飛竜 差し伸べる手 血の契約
称号 転移者 勇者 契約者 獣老
マユミ・シノノメ
人間 女性
レベル 35
物攻 220
魔攻 530
防 270
敏 270
スキル マジックアロー 折れぬ意志
称号 転移者 勇者 半隷属者
カオリ・サイジョウ
人間 女性
レベル 34
物攻 250
魔攻 170
防 160
敏 260
スキル 重力ナイフ 分身 幻影斬
称号 転移者 勇者
ライーザ・キューラック
人間 女性
レベル 43
物攻 300
魔攻 240
防 190
敏 210
スキル ライトニングセイバー トールハンマー 海鳴 雲切之剣
称号 騎士団団長 頭領
ハビナ・バーサス
獣人 獅子族 女性
レベル 36
物攻 420
魔攻 170
防 190
敏 310
スキル ブーストダッシュ ビーストクロー(風) ファングクラッシュ オートMリカバー(小)疾撃流舞 獅子の咆哮
称号 族長の娘 隷属者 碧風の武人
????
聖獣
レベル 25
物攻 310
魔攻 390
防 180
敏 220
スキル ハウリング 竜言語魔法(火・水・時)
称号 ゲートキーパー 力の器 隷属者
改めて皆のスペックを見ると色々と思う事もある。
スララの名前が見えないとかハビナのスキル多すぎだろとか東雲さんのスペックマジで高いなとかライーザさんのバランス感いいなとか西城もそのレベルではかなり強いんだぞとか。
俺のスペックについてはかなり高いとは思うが半分、いや8割以上はリオウの力だからな。
皆時間のある時はレベルを上げようと努力していたので多少は上がったが最近はやはり上がりづらくなってきていた。
はっきり言ってこのメンバーならいくら(蝕)の魔獣でも遅れは取らないだろう。
相手の力量が分かるっていうのは本当にアドバンテージになる。
逆にいつも視えているものが突然グレインのように視えない場合、恐怖や焦りはいつも以上になってしまうが・・・
「じゃあさくっと倒して亮汰の所へ行くとするか!皆頼んだぞ!」
俺の声と同時に皆一斉に魔獣へ向かって跳躍していった。
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