第4話 ステータス2

順番に話してもらうとするかな。





「まず勇人からいいかな?」





「いや、今確認してるがなんだかたくさんあってまとまらない。後でいいか?」





そう言いながら勇人は目線を上下させている。頭の回転も良く優秀な勇人がまとまらないとか珍しいな。じゃあ、亮汰にするか。





「じゃあ亮汰いい?」





「おう。まず名前、リョウタ・カセ。レベル1。物攻、魔攻、防、敏って項目があってそれぞれに数字が書いてあるぞ!お!その下にパワーナックルって書いてあるな!その少し下には転移者、勇者と書いてある!以上だ!」





声がでかいな。シュミレーションとかでもステの情報は大事だからな。おおっぴらにするのもよくないかもしれない。





「ありがとう。でももう少し声を抑えてくれ。何があるかわからないしさ。」





「お前が言えっていったじゃねぇか!声がでかいのは生まれつきなんだよ!」





キレだしたぞ・・まあいいや、俺も無茶を言ったかもしれないし。





「あーゴメン。ただもう少し頑張ってくれるとありがたいかな。」





亮汰はわかればいい!とすぐに普段と同じような人懐っこい雰囲気に戻った。よかった。


「次は西城頼む。」





「ええで。うちも加瀬とほとんど一緒や。ただうちはフォールダガーって書いてあるで。」





うーん。大体一緒で違う一部名称の記述が違う。パワーナックルにフォールダガーこれはもしかすると・・・


東雲さんはすらすらとメモを取ってくれている。





「じゃあ続いては・・・」








俺と他の二人と最後にまとまったという勇人の話を聞いた後東雲さんのメモを見てみる。やはりというか基礎ステータスこそばらつきはあるが皆、名前、レベル、ステがあるな。個別にあるのはスキル的なものだろうか。レベルと最後の転移者等は称号?かな?皆一緒だった。一応俺なりに分析してみてまとめてみると





リョウタ・カセ


物攻と防が高い近接パワー系


パワーナックル:攻撃スキルか自己バフか





カオリ・サイジョウ


敏が高いヒット&ウェイ系


フォールダガー:フォールってデバフのことかな





アンナ・キザキ


全体的にまあまあオールラウンダー系


ポイズンウィップ:字のごとくだろう





マユミ・シノノメ


魔攻が高いウィザード系


マジックアロー:魔法弓?具体的には謎





ユウト・ジングウジ


全体的にかなりステが高い。チートかよ


聖剣技:よくわからんね。ザ・勇者っぽい。





同期の連中に比べると俺は・・・





ギンジ・スドウ


全体的にかなりステが低い。なぜだ。


オートMリカバー:全然意味がわからん。オート(自動)でMがリカバー(回復)するんだろう。Mってなんだ?





「それで?これで何かわかったのか?銀次。」





勇人は何かイライラしてるぞ。こんな状況じゃ仕方ないとも思うがさっきライーザさんに心配しないで下さい!って言ってたじゃないか。女性だけに優しい奴か?勇人はそんな人間じゃなかったはずだけど・・・





「うーん。一応俺の知る限りのゲーム知識だと亮汰はパワー系で前に出て敵の攻撃を受けつつ倒す感じで、勇人はまさに勇者って感じのステだよ。多分一人でなんでもできる系。」





「ふーん。そうか、そうか!よかった!」





「おっ!俺はパワーか!俺の性分にあってるな!」





二人ともやけに機嫌がいいな。勇人なんてさっきまでのイライラした感じがなくなってるし。





「須藤さん!わたくしはどうなんですの!?」





「うちはどうなんや!」





「今から説明するって。姫崎は勇人より少し数値が低いけど姫崎も前衛も後衛も少しずつ出来るっぽい、西城は素早く動いて敵を翻弄するタイプじゃないかな。」





「勇人様と同じなんですね!勇人様より上に行くなんてありえませんからわたくしにぴったりですわね!」





「うちも現場でチャキチャキ動かんと納期間に合わんから似合っとるかもなー。」





「銀次君、わたしはどんな役割なのかな?」





「東雲さんは魔法がうまく使えて後方から敵を薙ぎ払う事が出来るじゃないかな?マジックアローってのはよくわからないけど。」





「魔法?あの有名な映画なんかに出てくるような?えー・・わたし薙ぎ払ったりしないよー!」





「あくまでゲーム知識だけどね。現実で魔法なんてありえない・・はずだしこの数値が意味のあるものかもわからないけどね。」





でも、あのときのライーザさんが紡いだ言葉、酔いをさました光、西城の言うCGじゃなかったとしたら・・・





「そういえば銀次くんはどうなの?オートMリカバーってあるけど・・」





やっぱり俺も説明しなきゃダメか・・恥ずかしいけど仕方ない。





「えーっと、正直俺はステ、能力がかなり低いみたいなんだ・・このオートMリカバーってのもさっぱりわからないや。」





「能力が低くて何に役立つかわからないってちょっと当てはまりすぎじゃありませんこと?」





「おい、杏奈。そう言う事は言うんじゃない。」





姫崎が完全に馬鹿にした感じで挑発してきやがる。勇人も口ではああ言ってるが目が例の見下した目になってるんだけど。まぁあいつらに比べたら能力が低いのは仕方ないとも思えるけどさ。





「銀次君だって良いところたくさんあるよ!銀次君がいなかったらこのステータスの意味も理解できなかったんだし!」





「あまり意味があるとも思えないけどな。明日には帰れるんだし。」





東雲さんがフォローしてくれるが勇人は気に入らないのかぶっきらぼうに答えた。確かに現実で能力が数値化なんてしない。





「まぁまぁ!今考えてもしょうがねーだろ!今日はもう寝ようぜ!」





「そうやな。どうせ明日は仕事いかれへんし寝よ寝よ!女子はベッド、男子は椅子かソファーでええやろ?須藤!加瀬!襲ったりしたら蹴り上げるで!」





「「ねーよ!!」」





亮汰とハモった。東雲さんならまだしも・・・って蹴り上げられるのは勘弁してもらいたい。使わずに失うのはつらいものがあるからな。


というか勇人は該当しないのか。安心の信頼と実績かよ・・


確かに今日は本当に疲れた。皆も疲れていたのか少しすると全員寝てしまったようだ。





俺も寝よう。明日以降どう転ぶかわからないけどこの同期の連中は皆優秀だ。無事に帰れたとしても俺が足をひっぱる結果にならないように頑張らないとな。そう考えてるうちに意識はまどろみに落ちて行った。

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