第百十話:水晶と鏡の迷宮
「ああ、それからもう一つ気になる事がある」
とイシュクルは続けた。
「最近、サルヴィの街に他国からのスパイが入り込んでいる」
「
曰く、詳細は不明だが恐らくは隣国シルベリア王国の手の者ではないかと。
「街を歩いていると、見慣れない顔の奴が増えている。まだ大っぴらに活動しているわけじゃないから、俺たちも監視に止めて排除まではしていないがな。勿論、王には報告は既にいっている筈だ」
「シルベリア王国が間者を何故送り込む?」
「さてね、相手の考えなど俺にはわからんよ。最近、あそこは王が代替わりしたそうじゃないか。マルヤムとか言う、まだ年若い少女にな。マルヤム女王が果たして政治に参加できているのかどうかで話は変わるな。俺の予想では、女王は傀儡で別の奴が野心を持ってこちらの動向を伺っているのかもしれん」
当然、そういう考えにはなるだろう。
だが俺はマルヤム女王と直に話をしている。
彼女は賢者ラーフィルより受け継いだ記憶と魔術、奇蹟、そして何より、肝が据わっている。
もちろん人を惹きつける魅力と人柄の良さもある。
側に控え、彼女を支える影の存在、かつての俺の傅役である結城貞綱も居る。
マルヤム女王が間違った判断をしたとしても、貞綱はそういう間違いは諫めるはずだ。
マルヤム女王は、迷宮から発する不穏な気配を感じとったのやも知れぬ。
「今現在のイル=カザレムは不穏な状況になりつつある。アサシンギルドもこれから忙しくなるだろう。お前たちも変な奴に襲われぬよう気を配る事だな」
「二つもの忠告感謝する」
「まあわたし達に襲い掛かろうだなんて、よっぽど腕前に自信があるか、あるいは気が狂ってるかのどっちかでしょうけどね」
ノエルの言葉に、アーダルは思わず含み笑いをした。
それもまた当然だ。
俺たちは今やサルヴィにおいては一番上の冒険者集団と言っても過言ではない。
「じゃあ俺はアサシンギルドに戻る。……っとそう言えばだ」
イシュクルは一歩進んだ所で振り返り、俺に言った。
「スパイの中には珍しい奴が居た」
「ほう?」
「宗一郎。お前が持っている刀と同じものを腰に差していた。見た目と背丈も実によく似ている」
俺と同じような武器と背丈に見た目。
これは貞綱以外にはありえない気がする。
貞綱はあの夜以降、女王の側に付いている役目になったはずだが、その任から外れてこちらに来るとはそれだけの重大な理由があるのだろう。
貞綱に会えるのであればまた会いたいが……。
もし敵同士として再会してしまう事になるのは憂鬱だ。
折角お互いに和解して生き延びたというのに、正直な所二度目の死闘を演じたくはない。
「今度こそ伝えたい事は全て伝えた。お前らも無事でな」
イシュクルは風のように去って行った。
「さて、忠告は有難いけども」
ノエルは口に手を当てながら呟く。
「実際の所、この忠告はどれだけ役に立つかしら」
ノエルの言葉に対し、アーダルが口を開いた。
「スパイの方はともかく、影法師さんの情報に関しては助かりますよ。僕は影法師さんと何度か手合わせをしてますし、手の内は幾らか知っています」
「と言っても手加減はされてたんでしょ? 追い詰められたら何を仕掛けてくるか分かったものじゃないでしょう」
「勿論、誰だって奥の手は隠していますよ。影法師さんの事を追い詰めた人なんて見た事ありませんけど」
「どちらにしろ、知っている技に対処する方法を知っているだけでも戦いは楽になる。遭遇する前に皆に共有しておこうじゃないか」
俺としては、何も知らぬ状態で戦ってみたい所だが、仲間を無用な危険に晒す訳にもいかぬしな。
「間者については、アーダルの言う通りだろう。俺たちの邪魔をしてくるなら排除するまでだ」
「そうね。じゃああとは、探索に向けて各々準備する感じでいいかしら」
「了解です」
「うむ」
そうして、俺たちはいったん解散して探索の為の準備を整える事となった。
まず装備の手入れ。
武器と防具はブリガンドに預けて手直しをしてもらう。
ここの所、打刀はあまり使っていないのでそれほど刃こぼれなどはない。
大型の敵や見慣れぬ敵ばかりを相手にしているせいか、どうも野太刀を使ってしまう節がある。
では打刀は不必要か? というとそんな事はない。
野太刀では取り回しづらい場所や場面はあるからだ。
持っておくに越したことはない。
鎧と具足も預けるが、籠手はアラハバキがあるので預けなくともよい。
アラハバキはそもそも先日の出来事から鍛冶屋には行きたがらないだろうが。
そして食料や探索における道具。
アル=ハキムの店に赴き、いつも食している薬草や干し肉、麻痺を治す薬や石化を解除する針などを購入する。
店では、マルクがいつの間にか店員として忙しく働いていた。
「あ、兄ちゃん元気!?」
「ああ、お主こそどうだ?」
「色々教えてもらって、こうやってお客様の相手が出来るようになったよ!」
「それは良い事じゃないか」
「今日は何が欲しいの?」
「ああ、これとこれがな……」
頼むと、てきぱきと動いてすぐに商品を持ってきてくれる。
実に手際が良い。
教育がきっちりとなされているのが分かる。
マルクは自ら算盤を弾いて道具の購入金額を出していた。
最近習いだしたと思うが、覚えが実に早いじゃないか。
読み書き計算が出来れば、ひとまず生きていく上で仕事に困る事は少なくなる。
アル=ハキムがきっちりと少年の行く末を案じているのがわかり、一安心した。
「まいどあり!」
マルクはお釣りを俺の手に渡してぎゅっと手を握った。
「今度、どこかでご飯でも食べない? おら、初めて給金をもらったんだ!」
誇らしげに笑うマルクの顔は、もう既に少年から青年への顔つきに変わりつつある。
「ああ。迷宮での探索が終わったら、必ず行こう」
「約束だよ!」
マルクは去り行く俺に手を振って、すぐに商売へと戻った。
子どもと言うものは、あっという間に成長するものだな。
何時の間にか背も少し伸びていた。
いつかは俺の背を追い抜いていくだろう。
また会う日が楽しみだ。
「さてと。今度ばかりはあの薬を用立てないといかんか」
一通りの買い物を済ませた後、俺はサルヴィのとある路地裏の一角へと向かう。
そこはサルヴィの
街の中心から遠く離れた所にあり、もはや街外れと同じと言っても過言ではない、為政者たちからも見捨てられた区画。
身寄りのない者や行く当てのない者、あるいは全てを失った者、ゴロツキやヤクザ、犯罪者などでもまだぎりぎり街の中へ留まっていようとする者がここに吹き溜まる。
それでもなお、街にすら居場所が無くなった者がいよいよ迷宮に身を寄せるようになるのだ。
この区画の住人で無い者が迷い込んだら、運が良ければ強盗されるだけで済む。
運が悪ければ殺されて身包み全て剥がされ、内臓までも抜かれてあとは野犬の餌となってしまうだろう。
色んなものが混ざり合って流れてきた、ドブ臭い酷い臭いが立ち込めてくる。
貧民街住人が野放図に捨てたゴミが散らばる路地に一歩足を踏み入れる。
仕事もなく暇を持てあまし、座り込んでたむろしているこの区画の住人が、じろりと俺を睨みつけた。
しかし、流石の荒廃した区画の住人であろうとも俺を認識するとすぐに視線を外した。
俺の名前と姿はサルヴィ中に認識されている。
流石に損得を理解できる奴であれば、襲い掛かって来る事はない。
「きひゃああああああああああ」
たまに、こういう薬物中毒者が見境なく襲い掛かって来るが。
薬物中毒者は手に
錆びだらけの手入れがなされていない、粗末な短刀だ。
俺は打刀を抜き、一刀の下に斬り伏せる。
「ぐげっ」
中毒者の首を落とし、事なきを得る。
薬中の一人や二人、死んだところでここでは誰も気に留めない。
野犬やカラスがいずれ後片付けをするだろう。
そうやって道を歩き進むと、一つのボロ家に辿り着いた。
周囲の半壊した家と何も変わらないように見えるが、ここだけは一人、家の入口に見張りの男が立っている。
みすぼらしい男はちらりと目をやると、黙って扉を開けた。
顎をしゃくり上げて中に入れと促している。
「失礼する」
家の中は酷く暗い。
床にはゴミが散らばり、壁に掛けられているろうそくの頼りない灯りのみで照らされてる通路は見通しが悪い。
廃材で組み立てた家は歩を進める度に軋み、ちょっと強い風が吹けば今にもバラバラに吹き飛ぶだろう。
通路の奥へ進むと小部屋があるが、そこも同じく襤褸切れを纏った男が椅子に座っているだけだ。
「井戸」
男はぽつりと一言だけ言う。
「岩の
俺が返すと、男は立ち上がり壁を探った。
すると男の背後にあった壁の一部が、軋む音を立てながら上へとズレて新たな行き先を作る。
「行け」
無愛想に促され、更に通路の先を行く。
通路は
壊れかけた家からいつの間にか、頑丈な石造りの床と壁に変わっており、しっかりとした作りの建物の中にいる事が分かる。
進んでいくと、その奥には一人の年老いた老婆が椅子に座りながら水タバコを吸っていた。
彼女の前には石の机があり、そして両側と背後には石の棚がある。
その棚の中には見慣れない代物が数多く置かれていた。
キノコを乾燥させた物、鼻を突くような強い匂いを放つ得体の知れぬ塊、何らかの動物の性器らしきものを強い酒に漬け込んだ容器など、普通の店では全くお目に掛かれないものばかりだ。
老婆は水タバコの煙を大量に吐いた後、どろりと濁った瞳で俺を見て、しわがれた声で問いかける。
「何が望みかね」
「痛みを全て忘れさせるような薬を望む」
老婆は答えに対し、水タバコをひとつ吸い、吐くと立ち上がっていそいそと棚に置かれている薬草を何種類か掴み取った。
それを乳鉢の中に入れて、乳棒で擦り合わせ始める。
ごり、ごり、ごり、ごり……。
すり潰す音だけが小部屋の中に響き渡る。
老婆がしばらく草を調合したのち、更に棚から緑色の液体が入った瓶を取り出して乳鉢の中に液体を垂らす。
垂らして混ぜ合わせ、を数回繰り返した後、幾らかを手に取って丸くなるようにこねる。
作業を何回か繰り返す事で、草は丸薬数個となって出来上がった。
袋に詰めて老婆はそれを俺に渡す。
俺は金貨が詰まった、手のひら程の大きさの袋を老婆に渡し返す。
老婆は袋の中身を検めると、にたりと嫌らしい笑みを浮かべた。
「あんたはこの薬のことをよく知っているから言うまでもないだろうけど、この薬は劇薬さね。普通の状態で使ったら廃人まっしぐらだよ。薬を求め、薬なしでは生きられないようになっちまう。せいぜい気を付けるこったね」
「承知している。また必要になったら頼む」
「わかってるよ。あんたはお得意様だからねえ」
ひひひ、と老婆は笑いながら水タバコをまた吸い始めた。
足早にこの場所を後にする。
用件が済んだ以上、治安の悪い区画に長居はすべきではない。
無用な争いは避けるに限る。
老婆が用立ててくれた薬は、いわゆる麻薬だ。
かつて迷宮で一人で骨を折って動けなくなった際、痛みを鎮め無理やり動く為に使ったが、これは依存性が極めて高い。
だから健康な時には使うなと老婆は警告している。
その様な危険な薬は、王が認可している薬師しか作れない。
あの老婆はかつて王宮に使える薬師だったのだが、何らかの理由で追放されて今は薬の知識を悪用してサルヴィの住人達に違法に売り渡している。
まあそうでなければ、破格とも言える安さで手に入れられるはずもないのだが。
正規の手続きでは、今にも死にそうな病や怪我に苛まされている者にしか処方されない。
しかも目が飛び出るほどに高い。
蘇生程ではないにしても、貴族や王の類でなければその金額は払えない。
これでもあの老婆は良心的価格で苦痛を和らげるために人々に売っているのだ、と嘯いている。
此度の迷宮探索では何が起こってもおかしくない。
俺以外の仲間が死に、俺も深手を負って動けなくなる状況は容易に想像できる。
そんな時でも無理にでも動けるようになり、地上へ戻る手立てを作る薬は必要だった。
「これで大体の準備は整ったか」
あとは修理に出しておいた武具が戻れば、いよいよ迷宮へ行ける。
三日後。
鍛冶屋から戻って来た武具を受け取り、迷宮入り口に集合する。
まだ昇降機は直ってはいないが、フォラスの空間転移で地下七階まで空間転移で移動し、予めて見つけていた地下八階へ降りる階段付近まで歩いていく。
「儂が封印を地下七階に施してから、もう下へは行ってはおらん。下の状態がどうなっているかは儂にもわからん」
「気を引き締めていくぞ」
石造りの螺旋階段を降りていく。
足音だけが、辺りへ響いている。
やがて階段を降りきると、扉が見えた。
迷宮ではよくある型の、両開きの金属製の扉。
錆びて動くたびに軋みそうな見た目をしている。
しかし扉には、地下七階に来た時同様の封印が施されていた。
「フォラス老。これも貴方が施したものか?」
問うと、フォラスは眉間に皺を寄せて首を振った。
「儂の術式ではないな」
「って事は、別の誰かが封印を仕掛けたのかしら」
「一体誰なんだろう」
「この封印の術式はそれほど複雑なものではない。すぐに解除できる」
フォラスはすぐさま詠唱を唱えて封印に手を触れる。
扉に体重を掛けながら、手で押し開ける。
軋む音を立てながら扉が開くと、その先には幻想的な風景が広がっていた。
「わぁ……」
ノエルが感嘆の声を上げた。
同じくアーダルも、広がる眼前の光景に目を奪われている。
「凄い、床も壁も天井も全部クリスタルで出来てる」
「水晶の迷宮、か」
水晶の結晶が床から、あるいは壁から天井からと鍾乳洞に出来る鍾乳石のように生えている。
これだけの結晶が、純度が高くしかも人よりも遥かに大きい形で無数に存在しているのを見るのは初めてだった。
水晶掘りが見たら涎を口から滝のように垂れ流しているだろう。
一つの結晶を切り出して持ちだし、レオンの所へ持っていったら幾らになるだろうか、考えるだけで微笑みが漏れる。
腰に提げた
また仄かに発光しているのか、明かりの奇蹟を使わずとも階層全体が明るく見通しが良い。
中には鏡のように鏡面加工なされているようなものもあり、自分の姿を反射させて鮮明に映し出している。
「フォラス老、貴方は以前この迷宮に鏡の間なるものがあると言っていた。これがそうか?」
「いや、儂が言っていたのはあくまで玄室の一つがこうなっているだけだ。階層ごと変化している訳ではなかった」
「迷宮が変化する実例を今まさに見ているという訳か。二人とも、見とれていないで先へ進むぞ」
アーダルとノエルに促して、陣形を組んで地下八階の探索を開始する。
俺とアーダルとノエルが前に出て、フォラスは後ろだ。
何歩か歩くと、すぐに何らかの人影がある事に気づいた。
それは道化師の格好をして、うずくまっている。
「道化師……。確か王様が言っていた奴ですよね」
アーダルは注意深く懐から手斧と脇差を取り出す。
ノエルも竜骨の大槌を構え、俺も打刀を抜いて正眼に構える。
王の言葉通りなら、あれが恐らくは白金の護符を盗み迷宮に入り込んだ道化師であろう。
「気を付けろ。正気かどうかわからぬ。まず俺が様子をうかがう」
刀を構えながら、ゆっくりと近づいていく。
音に気付いたのか、道化師は顔を上げてこちらを見た。
道化師の顔には独特の化粧が施されている。
青白い顔料で顔を塗り、かつ唇には鮮やかすぎるほどの赤い紅を笑顔を模るように塗っていた。
両目の下には涙のような模様を描いており、さながら泣き笑いしているような表情を作っていた。
道化師はゆっくりと立ち上がると、持っている大鎌を杖代わりに地面に突き立てる。
「王様の使いかな? 何人も迷宮に突入させて無駄死にさせているのに、懲りない王様だね。迷宮の奥にある物を御所望なら、自ら足を踏み入れるべきなのに」
「お主がフェディン王に仕えていた道化師だな。奪った護符を返してもらおう」
「奪った? 何を言っているのかな。迷宮の主から護符やその他諸々を奪ったのは王様の一族じゃないか。全く盗人猛々しいとはこの事だよ」
そう思うでしょ? と水を向けられるフォラス。
フォラスは眉間に皺を寄せるものの、何も答えない。
この道化師はフォラスと王家の因縁を知っているのか?
「だんまりかい? まあいいけど。どっちにしても、君達をこれ以上先へ進ませないよ。君達もここの水晶の中に埋め込んで、綺麗なアクセサリーにしてあげるよ!」
道化師は懐から例の護符を取り出した。
道化師はそれを後生大事に抱え込むような形で念じると、護符はにわかに輝き始める。
「何をする気だ!」
「まあ見ててよ。見てる暇なんてないかもしれないけどね!」
瞬間、護符は強い光を発して全てを包み込む。
目が眩み、腕で目を覆わねば潰されてしまうほどの強力な光であった。
更に、ぐにゃりと何か得体の知れぬ感覚が体を襲う。
「むうっ」
周囲の様子を伺えるくらいに目が回復するにはしばらくの時間を要した。
「みな、無事か」
返事はない。
目を開けると、周囲には誰も居なかった。
「もしや」
妖精の地図を取り出して広げると、最初に足を踏み入れた場所から全く異なる地点に移動させられている事に気づいた。
おそらく、他の仲間たちも同じように散り散りになって転送されているに違いない。
参った。
探索の初っ端から危機に陥っている。
ひとまず心を落ちつけ安全を確保するために魔法陣を描き、中に入った。
こうすれば魔物はこちらの気配を感知せず、安全に過ごせる。
だがこれは緊急避難に過ぎない。
この階層に出てくる魔物が何なのか不明な中、一人で歩くのは大きな危険がある。
とはいえ、座して待っていても仲間と合流できるかはわからない。
じわじわと物資を消費し、やがて動けなくなってしまうだろう。
どうする。
仲間が来る可能性と、俺が探して仲間と合流できる可能性どちらが上か。
じっくり考えている暇はない。
生存能力が高いのは俺か、もしくはフォラス老だ。
となれば、すぐにでも仲間を探しに行った方がいいだろう。
まごついているうちに仲間が危険に晒されているかもしれない。
行かねばならぬ。
「よし」
立ち上がり、伸びている通路の先を伺う。
今の所、敵の姿は無し。
一人での探索は慣れている。
金を稼ぐために行っていた死体回収の時の探索と何ら変わらぬはずだ。
平常心を保て。
俺は両手で頬を叩いた。
痛みでいくらかは気が引き締まった気がする。
行くぞ。
待っていろ。ノエル、アーダル。フォラス老。
そして道化師。その首を洗って待っていろ。
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