リコエル ✥ Rolling Clincher
しっかりと噛み合った歯車の向こうに、抜け落ちた螺子の転がっている人。
そう、全ての部品が揃っているのに——その孤独な螺子だけが、歯車の上で踊っているのだ。
「エルフィルド君……?」
どうした? 君にしては珍しい行動だね。
カラカラカラ、音がする。
その表情は、どこまでが真実だろう。
「……いえ、なんでも」
立ち入るべきではないと、思うのに。
その瞳の奥に、謎の答えを求めてしまうのだ。
✥ ✥ ✥
逸らされた瞳に、心底ほっとした。
その瞳の奥に、ひどく空虚な自分が映る気がした。
違う、そんなことは、知っている。
ならば——恐れるのは、なんだろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます