人々は声を聴いた。拡声器からではなく頭に直接響いてくるように。街中の怒号や喧騒も鳴りを潜め、日本中のみなが静かに声に耳を傾けた。

ｻﾞｯｻﾞｧｯ

『皆様はじめまして。私（ワタクシ）はベルトーヌ・レ・シュトレッツェであります。母国、フィーネル神国より参りました。母国世界からここに転移するために建設された都市、我々はアウノベリッツァと呼んでおりますが、これを此処に召喚した者達の代表として皆様に語りかけています。まず、この度本都市の召喚に際し、大きな騒動を皆様にお掛けしたことを謝罪致します。また、この地域に存在した過去のものが失われたことについても大いに謝罪致します。然しながら我々は我が神より此の地を平定すべしと神託を経てここに参りました。もしこの世界の代表者があればこの声に応えてくださいますようお願い申し上げます。幸いにも我らはすでに以前の世界において魔王を討伐し、母国世界の平定を成し遂げております。どうぞ我々にお任せくださいますよう重ねてお願い申し上げます。我々は転移後の準備を済ませた後、この地を平定することをお約束致します。どうか皆様、苦難にあればこそ我々にご協力いただきますようお願い申し上げます。』