行政

大阪府 大橋薫オオハシカオル 府知事は京都泉涌寺に来ていた。天皇家縁の方に拝謁する為である。首都圏に突如現れた都市部を仮に異国イコクと呼ぼう。異国の出現によって、首都の一切合切が消失したため、国会議事堂はおろか皇居も消滅し日本列島は混沌に包まれていた。日本は直ちに政治を再編し異国と対峙しなければならない。戦か融和か。大体、首都機能消滅など全く荒唐無稽で未だ夢かと思う。夢ならば今すぐに褪めてくれと思う。こうなってしまえば国軍は一体誰が統率するのか、外交はどうするのか、問題は山ほどあるが、ともかく首都機能を誰かが引き継がなければならない。それには東京に次いで第二の大都市である大阪が適切であろう。ともかく天皇家の方々の状況と今後の方針について話し合いが不可欠だ。

寺の僧が大橋を呼んだ。

「大橋様、どうぞこちらへ。」

促されるままに進んだ。渡り廊下を通って、大広間を二段進んだ後、拝謁を許された。大橋は状況を説明した。有り得べからざる事態が、今、この日本に起きていることを述べた。

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