第5話甲葉と乙葉①
カリカリカリカリ…
一人部屋の中でシャーペンを走らせる音だけが響く、俺は自分でも久し振りに勉強に精を出していた。正直こんな事するくらいなら呟きサイトなり動画サイトなりを利用して惰眠を謳歌するのだが、今回ばかりは俺にも譲れないものがある。
なんでそんな必死なんだって?
そうか、いきなりこんな事を言っても、?を浮かべる人がほとんどだろう、ではどうしてこんな事になっているのか順々に回送していくとしよう。というけど、昨日のことなのだがな、
♢
雨でずぶ濡れになった次の日、俺は強靭な肉体を持って風邪を引くことも無く、学校に向かっていた。
「おい、真!今日こそ我々バスケ部に入ってもらうぞ」
「お前は俺より他の人を誘う事に尽力した方がいいと思う、以上だ」
俺はそう言うと帰るために支度をし始める。
そもそも、入ったとしても活動するつもりは無いし、してもただ足を引っ張るだけで特にいい事なんて無いと思うがな。
しかし健は食い下がる気は無いのかまた別の話を持ち出してくる。
「なぁ聞いたぞお前、実は部活の助っ人でかなり強いって噂じゃねーか!どうしてそんな大切な事を言わねーんだよ!」
「………………好きじゃ無いからだ、悪いか?」
言ってハッとしてしまった、またやってしまった。
「すまない、ただ今俺はバスケをしたくはないんだ。別に健の事を嫌ってるわけじゃ無い、そこの所は勘違いしないでほしい」
少し傷つけてしまっただろうか?
俺はなるべく言葉を選んで補足していく。
「おし、わかった。でだ、我々バスケ部に入ってくれ…」
「お前、言葉なりにも俺の話を聞く気あるのか?」
少しでも心配した俺の気持ちを返してくれ、クーポン券もつけて。
「何を言ってる!お前は中学校の部活のあの素晴らしい日々を忘れてしまったのか!?もっと熱くなれよ!」
と、どこかの修○さんの様なハイテンションさで勧誘をしてくるがそんなので勿論何かがなびくはずが無く、俺は健の話をダラダラと10分も聞かされた。
「はぁ、やっと終わった…」
俺は精神的な疲れを癒すべく、ファミレスでパフェでも食べようとトロトロと下駄箱へ向かっていた。
早く、早く甘いものを摂取しなければ、俺の中の何かが目覚めてしまう…
何てアホな妄想が出た時は危険信号だ、今すぐ行かなくては。
「おいおい嘘だろ…」
今日もまた、彼女は立っていたのだ。
なんだろう、俺もう何も悪いことをしていないのに…
だがしかし、しかしだ。
もしかしたら俺じゃ無い誰かを待っているかもしれない、ここは無駄に怪しまれないために通り過ぎるしかない。
そして俺は心を無にして彼女いるロッカーを通り貸そうとして
「金崎真さん、直ちに私と同行してもらいます」
拒否権はないですよ?と彼女、安藤先輩は今日も無実の後輩を生徒会という地獄に連行するのであった。パフェが遠くに逃げていく…
そして俺たちはまたあの場所へと向かっていた。
「あの、流石に昨日の今日ですし何も悪いことはしていないと思うのですが…」
「ですから前も言った通りそれを判断するのは我々です」
やだ、やめて。それじゃ俺がいつも問題起こしてるみたいじゃん。流石の俺でもガラスのハートはボロボロよ?
「安心した下さい。別に今日は怒られる事では無いと思いますよ。多分」
「あの、持ち上げて下ろすのやめてもらって良いですか?」
努力はしますと、とても心配な言葉が飛んでくる。
というか今回は安藤先輩じゃ無いんだな。とすれば生徒会の別のメンバーか?
「何をボケッとしているのです?早く入りなさい」
どうやら考え事をしている間に生徒会室へ着いたらしい。
安藤先輩は重厚そうな扉をコンコンと鳴らすと「どうぞ」と女性の声が聞こえてくる。
俺は高鳴る鼓動を抑えながらゆっくりと扉を開ける。
「いらっしゃい真君!ようこそ生徒会室へ!」
言葉を失った、一瞬ではあるが心臓が止まり、送られ損ねた血液を補うように鼓動が早くなり、少し頭がクラクラする。
そこにはこの前俺が一目惚れし、告白して振られたあの二羽先輩が俺を出迎えていた。
「先輩、今日はそっちの姿なのですね、相変わらずお可愛い姿で、ぐへへ…」
俺は何だこいつはという目でゲスい笑顔で笑っている先輩を見つめていた。この人だけにはなりたく無いな…
しかし、先輩の言っていたそっちの姿という言葉がやけに引っかかる
「先輩先輩、その姿ってなんですか?なんか他にもあるんですか?」
するとどうだろう、彼女は緩みきった顔を目視できるギリギリの時間で元の顔に戻したではないか、この人、人間じゃねー…
「あぁ、まだあなたには話してなかったですね、待っててください。凄く良いものが見れますので」
「良いもの?それってなんで…す…か……」
俺は背中にゾクっという感覚を味わった。
俺は今日ほど恐怖を感じた事は無いだろう、「あら、みんな揃ってたんだね!待たせてごめんねー?」
そこにはもう一人の二羽先輩が扉から入ってきたからだ。
「!?!!???!?????!!!?」
もう脳がオーバーヒートして何がなんだか考えられなくなってしまった。ここはどこ?貴方はだぁれ?
そんなアンポンタンな反応をする後輩を見ながら二人はクスクスと笑いだす
「ふふ、やっぱり新鮮な反応は良いものだね甲葉姉」
「そうだね!乙葉!」
しかしドッペルゲンガーの様な出会ったら死ぬ様な事は無く、二人は楽しそうに会話をしていた。
………待て、甲葉姉?
「もしかして、お二人は姉妹だったりするのですか?」
「せいかーい!」
「当たりです!」
と二人はほっぺを合わせる様にくっつきピースをした、
『ゴフッ!』
俺と安藤先輩は血反吐を吐いた、そして倒れた。
「先輩、なるべく画質の良いカメラ持ってませんか?撮って家宝にします」
「くっ、一生の不覚!カメラは教室です!」
クソ、使えねぇ先輩だ!こんな天使の様な二人の姿を収めれないなんて………
俺たちは真っ白に燃え尽きた
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〜少しお知らせ〜
どうも、優です。早速ですが、
小説投稿がままならない状況でありますことを深くお詫びします。
ごめぇんねぇ!!!(土下座)
そして、もう一つ、このタイトルを変えさせていただきますね
(悲報)好きな人の妹さんに好かれました
↓
好きなんだったら、姉じゃ無くても愛せますよね?
に変更です。
なんで?どうして!もっと良い案あるよ!なんてアドバイス、コメントをくれる方はドシドシどうぞ!
また、次回でお会いしましょう!
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