第701話

「すぅ……すぅ………すぅ…………」


「ったく、晩飯を食ったらすぐに眠っちまいやがって……よっこいせっと。」


「ふふっ、帰る直前になる頃にはもう限界を迎えていたら仕方ないよ。それに私達もほとんどマホと同じ状態だからね。」


「……ねむい……」


「おいおいソフィ、頼むから寝るのは着替えてからにしてくれよ。ロイド、悪いけどそっちの水着だけ先に洗濯しといて貰ってもいいか?流石に俺が触る訳にはいかないからさ……」


「うん、分かったよ。もし良ければ九条さんの水着も一緒に洗ってしまうけど?」


「いや、俺はまだそこまで眠いって訳じゃ無いからな。自分の分は後でやっとくよ。そんでロイドもう1つ頼まれて欲しいんだが、ソフィを寝室に運んでくれるか?俺がお前達の使っている寝室に入るのは気が引けるからな。」


「了解。まぁ、本当はそこまで気にしなくても良いと思うんだけどね。私達の仲なんだからさ。」


「アホか、お前が良くても俺の精神的に良くないんだよ。」


「……んぅ……」


「っと、起こしちまう所だったか……ロイド。」


「うん……ふふっ、マホの寝顔は本当に可愛らしいね。思わず見惚れてしまうよ。」


「はいはい、分かったらさっさと行ってこい。お前も限界が近いんだろ?それなら、自分の用事を済ませてさっさと寝ちまえ。」


「あぁ、そうさせてもらおうかな。ソフィ、行こうか。」


「……うん……」


 珍しく疲れ切っているソフィを連れて寝室の方へと向かったロイドを見送った後、キッチンに立った俺は冷えた体を温める為に紅茶を淹れる準備に取り掛かった。


 それから数分後、丁度準備が整った頃にロイドが1人で戻って来たので俺は出来たばかりの紅茶をティーカップに淹れてロイドに差し出した。


「ありがとう、九条さん……ふぅ、何だか疲れが取れる気がするよ。」


「ははっ、それなら良かった。さてと、それじゃあ明日もある事だしそろそろ洗濯を頼んでも大丈夫か?」


「あぁ、すぐにでも終わらせるよ。その後は私も眠りに付くとするかな。九条さんはこれからどうするんだい?」


「ん?俺もコレを飲んで風呂に入ったら寝るとするよ。お前達は園内にある簡易的な大浴場でもう風呂は済ませてあるんだろ?」


「うん、更衣室のすぐ隣にあったから利用させてもらったよ。九条さんは大浴場には入って来なかったのかい?」


「いや、とりあえず入っては来たぞ。ただまぁ、一日の締め括りに入るのが好きってだけの話だ。」


「ふふっ、なるほどね。そういう事なら私も真似させてもらおうかな?」


「いや、無理してやる事も無いだろ……それよりもほら、な?」


「うん、分かってるよ。」


 その後、ロイドに任せた洗濯が終わって彼女が寝室に戻って行くのを見送った俺は1人残ったリビングでのんびりとしながら夜を過ごして行くのだった。

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