第702話
翌朝、すっかり元気を取り戻したらしいマホの提案を聞く事にした俺達はレジャープールではなくて大通りの方を散策していた。
「やれやれ、まだ朝も早いってのにやっぱり暑いなぁ……それに人通りもかなりあるみたいだし……あー宿に戻りてぇ……」
「もう、だらしないですよおじさん!そんなんじゃ夏に負けてしまいますよ!」
「いや、もう既に敗北寸前なんですが……ってかソフィ、マジで午後からクエストをやりにいかないとダメか?今日ぐらいはのんびりと……」
「ヤダ。面白そうなクエストがいっぱいあったからやる。」
「ふふっ、どうやら逃げ場はないみたいだね。」
「……はぁ……昨日の今日でよくもまぁそんなに体力が回復するもんだな……俺はまだまだ気だるさが抜けきって無いってのに……」
「……それがおじさんが歳だからでは?」
「そ、そんな訳ないだろ!俺はまだまだピチピチだ!」
「ふむ、それならクエストをやっても平気だよね?」
「お、おう!勿論だとも!クエストでも何でもジャンジャンこーいってなもんよ!」
「……!……本当?」
「あ、あぁ!本当だよっ!……でも、そんなに期待した目で見つめて来ないで……ぐっ……!」
瞳をキラキラとさせているソフィの視線から逃れる様にそっぽを向いた直後、不意にノイズの様なものが脳内に走ってきた……!
「お、おじさん!?ちょっと、大丈夫ですか?」
「ははっ、心配すんなっての。少しだけクラっとしただけだからさ。いやぁ、やっぱこんだけ暑いと自然に体力が奪われちまうのかねぇ?こりゃクエストをやる時は格好にも気を付けないといけなさそうだな。」
「……うん、なるべく風通しの良い服を選んだ方が良さそうだ。ただまぁ、それだと防御面が心配になってくるけどね。」
「あー確かにな。薄手だとモンスターに怪我させられるかもしれないし、かと言って厚着をしたら熱中症になる危険性があるからな。どっちにしたって用心しないと。」
「えぇ、とりあえず冷たいお飲み物は忘れずにですね!それと濡らすと冷えるタオルとかも売ってましたから、そういうのも買っておいた方が良いかもしれません!」
「そうだな。よしっ、そうと決まれば事前準備に取り掛かるとするか。そんでもって余裕があれば観光を再開するって事で……構わないか?」
「うん、それで問題ないよ。」
「私もそれで良い。」
「えへへ、私は皆さんのサポートをさせて頂きますね!」
「ははっ、そりゃ頼もしい限りだな。」
それから俺達は大通りに並ぶ店を巡りつつクエストで役立ちそうな物を幾つか購入していくと、戦闘用の支度を始める為に宿屋に戻って行くのだった。
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