第7話

「さて、能力については僕の口からは言えない。非常に私的なことが関わってくるし、言いたくないこともあるだろう。まずは彼らと仲良しになりたまえ。」

白衣の男はそう言って少年少女のほうを見るように促した。

少年3人少女3人の総勢6人。

次に顔を見た途端に俺は驚愕してしまった。

彼女がいた。

貨物列車に轢かれてしまった彼女。

時間が止まってしまったかのように彼女をじっと見つめていると、

「あなたと話すことは何もありません。仲良くする気もないです。では、」

そう言って教室から出ていってしまった。

やれやれと言った表情で白衣の男は残りの女子二人を引き連れて彼女を追いかけてに行った。

俺は彼女がなぜ生きているのかと思い思考を巡らせた。

箸を銃に帰られるのだから、蘇ったり、化けてでるくらいならできるのか?

俺の思考能力ではこれが限界だった。

周りを気にせず考えていると、右端の少年が話しかけてきた。

「もしもし?もしもーし?」

ハッと我に返り思考を中断、意識を目の前の男の子に向ける。

その素振りを見て彼は一瞬懐かしむような優しい目をした。

「あの、理事地から、僕達の部隊の隊長に就任する方だと聞いているのですが?」

よく通る声でハキハキと喋る、真面目な少年というのが1番強い印象だった。

髪は短いスポーツ刈りで姿勢正しくいかにも委員長基質といった具合だ。

「いや、俺も今日ここに来たばかりだからよくわからないや。」

正直に答えると委員長【仮】の隣にいる少年は悪態をつく

「なんだよ、じゃあ畏まる必要はねーな。」

制服のボタンを外し、帽子をとりながら彼は言った。

さっきの少年が真面目だったぶん、こちらの少年は対照的に不真面目さを感じざるおえなかった。

ソフトモヒカンの髪型に銀のメッシュを入れ、ガムを噛んでいる。

The不良としか言い様がないだろう。

「そーだな、人生のコツは適度にさぼることだ。」

真ん中に陣取る少年までだらけ始めた。

帽子を深く被っているので髪型はわからないが、タレ目で、どこか気だるさを感じる少年だった。

俺はこのなんとも言い難い雰囲気から遠ざかるために、また考え事をするのだった。

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反抗鬼 ひまり @HIMAnaMARY

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