第3話

裁判はトントン拍子に進んでいった。質問は名前や職業、住所地など簡単なものばかりだった。だが、異変は起こった。殺した動機を聞かれたのだ。俺は動揺して弁護士の方を見るがこちらも慌てふためいていた。とりあえず答えなければ。「動機も何も殺そうとしていない。自殺をしようとしていたのを止めようとしただけだ!」そこからは容赦のない質問ばかりだった。さらに証拠として彼女の服からあなたの指紋がでてきたなどと言われ愕然とした。俺は彼女に触れていない。そんなのは嘘だ。だが無情にも裁判は進み終わってみれば俺は実刑判決を言い渡された。懲役10年と。ショックで何も考えられない。なぜどうしてなんでと自問自答しようとするが何もわからない。促されるままに車に乗り移動し施設に入った。刑務所の牢屋ではなかったが、その意味を考えれるほどの余裕もなくすぐにベットに横になり目を閉じた。

夢を見た。あの女の子が死ぬ前だ。普通に生きたいなら関わるべきではなかった。なのになんで俺は行ってしまったんだ?俺は本当は普通に生きたいんじゃなくて普通じゃないことに憧れていたのか?嫌だ。これ以上考えたら辿り着いてしまう。自分の本心に。思考に無理やり蓋をした。

遠い場所から何かが聞こえた気がする

「、、、、、、、、、、フツウ?」

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