その5

 さて、賢者が学園都市の近くに暮らし始めたりゆうについて語ろうか。

 賢者はむかし、貧乏であちこち魚を釣りながら、旅をしていた。

 ある日のこと、賢者は今の学園都市の近くにある、河で1匹の猫に出会った。

「おや、こんにゃところで釣りとは、めずらしい」

「ははは、たしかに釣れませんな」

 しばらく話していると、猫がこう語りだした。

「わたしの父が『将来、きっと賢者がこの地にくるだろうにゃ。そして、わしらはおおいに栄えるにゃ』と言っていました。あなたは多分、その賢者でしょう。わたしの父は、あなたが来るのをずっと待ってましたよ」

と、語り終えると、そのまま学園都市にある家にかえって、夜どうし語り合った。

「ここら辺はわたしの土地です、どうぞお使いくださいにゃ」

 これが、賢者が学園都市の近くに暮らすきっかけである。

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