第4話 雫との1日
あの後、俺は寮のベッドに運ばれた。そして、雫によると黒いローブの5人組はかぐやと俺のユーソンを狙っているらしい。
「ハアハア……お前が俺を助けてくれたのか?」
「ええ、そうよ」
「ありがとう」
「べ、別にお礼なんていらないわよ」
雫は照れくさそうに言った。俺はなぜ彼女がこの時、照れくさそうにしてたのか。今の俺には分からなかった。
「なんで、俺を守ってくれたんだ」
「それは……あなたが……す……。あなたが……ドジだからよ!」
「そ、そうなのか」
俺は雫が何を言おうとしたのか少しだけ気になったが、触れないことにした。
「それより、なんで、あなたがこの学校にいるのよ! 他の学校もあるでしょ!」
「そ、それは。前の学校があまり馴染めなくて……それで……引きこもりがちになって……転校した感じかな」
「そう、それなら良かった。でも、あなたはこの学校で友達ができたじゃない。まあ、問題はあの黒い連中だけど」
「そうだな」
彼女が俺の手のひらにそっと手を置いた。
「うぐ……ぐはぁぁぁーー……ハアハア……」
自分の体がとても熱く、心臓が何かの植物によって締め付けられたような気がした。
「だ、大丈夫?」
雫が心配そうにして、俺の手を強く握った。
「ハアハア……」
彼女が俺の手のひらからそっと手を離すと、そこには緑色の液体の薬らしきものが入ったビンが置いてあった。
「これでも飲んで元気出してよね」
雫が頬赤くして俺に言う。
「ありがとう」
俺は「銀河の水神と呼ばれる雫でも男には弱いのか」と心の中で呟いた。
「今度、一緒に出掛けられるかしら?」
「別にいいけど、俺の容態が回復してからな」
「ええ、分かっているわよ」
と雫が言い、俺が寝込んでいる部屋から立ち去ったのだった。
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