時代小説らしい美しい日本語の並びを感じました。とても情景描写が上手で、雰囲気にスッと飲み込まれるようです。
しかし、時代小説というと、とっつきにくい印象をもつ方もいるかと思いますが、この小説は大変読みやすい。その表現の意味、漢字の読み方が分からなくても他の言葉、前後の文章、漢字の印象から十分に読み取ることができるでしょう。言葉選びが上手です。
さらに、ミステリーというのが惹かれます。筆者のあらすじになります「ある女」は出てきていませんが、女っ気のない弥兵衛がなぜ下手人に殺してもらうことになったのか……続きが気になる作品です。