第42話 小さな妖精テイネ

 コントラタック隊がタマ子と共に出発する日の朝。


「タマ子王女様…本当に私は行かなくて大丈夫なんですか?」


 心配そうに侍女カヤが尋ねた。タマ子が産まれたときより片時も離れた事が無かったカヤ。


「カヤを危険な所には連れて行けないわ。私は大丈夫安心して」



 コントラタック隊の戦士達、ハリー隊が準備を整え馬にまたがった時。

 空が光り妖精が降り立った。

 光に包まれたその妖精はとても小さく、羽を持つ美しい女の人だった。


「私は神トキノ様の従者。悪の根源を見つける事、トキノ様の声を伝えるために降臨致しました」


 その声はとても小さく澄んでいたが、皆の耳には不思議と届いた。


 妖精はタマ子の肩に座った。


「妖精さんよろしくお願いします。名前はないの?」


「テイネと申します」


「テイネさん助かります」


「タマ子俺の前に」


 ハリーが馬から声をかけた。


「はい」


「よし!出発のときが来た!行くぞ」


 その号令で皆が動き出した。


 心配そうに見守る国王ルーカスと王妃デイジー。


「あぁ……神様我が子タマ子をお守り下さいませ…」


 デイジーは祈るように呟いた。

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