第43話 治癒の力
バリアを抜け見慣れた風景に戻って来た一行。途中家屋に作った墓に皆が手を合わせた。
タマ子はセオが手向けた花を悲しげに見つめた。
「よし!ここからは未知の世界だ!皆気を抜くなよ」
砂漠地帯から東の鉱山を目指す。
「い、た」
真横から人間の2倍程あるサソリが1人を襲って来た。
皆馬から降り戦いだした。やっとの思いでやっつけたが、1人は刺されたようだ。
「毒だー!セオ様と同じ……俺、ここで死ぬのか…」
「大丈夫です」
タマ子はその戦士に駆け寄り杖を掲げた。
「治癒の力を!」
タマ子が叫ぶと戦士の刺された足に淡いグリーンの光が差す。
「え?タマ子王女様…ありがとう…痛くない!凄いや」
初めて使った治癒の力を、タマ子自身も驚いていた。
「治癒の力を持つ者は偉大です。皆さん安心して戦って下さい」
妖精テイネの声が優しく皆の耳に届き安堵の表情を浮かべた。
その時、ガサガサと砂煙を立てサソリの大群がやって来た。1匹をやっつけた仕返しだろうか…。
「気を抜くな!かかれー!」
ハリーの合図で皆剣を握りしめる。1匹に5人がかりで戦う程サソリは強かった。
「や、やられた!」
あちこちで毒をくらった者の声が響く。タマ子は近づく事は出来ないので治療隊と場所を確保して怪我人がそこまで歩く。そこには妖精テイネがバリアをはった。
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