第39話 タマ子帰還

 その翌日タマ子が城に戻って来た。


「まぁタマ子無事に帰って来てくれたのですね」


「お父様お母様ただいま戻りました」


「各街や村はどうだった?」


「はい、皆生き生きしておりましたが、やはり土地が少なく思いました」


「うむ、コントラタック隊は行ったか?」


「はい、少し緊張が見られましたが元気に出発しました」


「お姉様!」


 階段を降りて来たフローレンスが声をかけた。


「フローレンスただいま」


「お姉様!ハリー様にお返事頼んでくれたのですか?!」


「なんです?挨拶もせずにフローレンスったら…」


 母親デイジーがそう言ったが、フローレンスは聞く耳を持たなかった。


「毎日毎日ハリー様からのお返事を待っていたのに…1通も来ないんです!」


「そうだったんですね。私はちゃんとお伝えしましたよ。きっとお忙しいのでしょう」


「セオは元気でしたか?」


 デイジーもフローレンスには構わず尋ねた。


「はい、街ではとても楽しそうでした。隊員になれて嬉しかったのでしょう」


「タマ子が知るのはバリア内のみ。皆が帰るまでは心配だな」


 珍しく父ルーカスが弱音を言った。

 セオの容態を知らない家族達は、元気で戻る事を信じていた。


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