第35話 バリアを抜けて

 ハリー率いるコントラタック隊が、南に位置するバリアの前に着いたのは夜更けだった。

 テントの準備をするように促し、ここで一夜を明かす。


 疲れた隊員達は直ぐに眠りについた。

 ハリー隊は明日の事を確認した。


「ハリー隊が常に先頭で俺が指揮をとる。アヴァが最優先で先に進んでくれ。もちろんすぐ後につくが」


「あいよ!それにしても昔の地図はボロボロだし、不明な箇所も沢山あるな」


「それで大丈夫なんでしょうか」


 心配したのはタマ子の友人ノアだった。


「とりあえずは東のこの鉱山を目指してみよう。もうバリアはない!気を抜くなよ」



 翌日暑い日差しが照りつけていた。皆馬にまたがりバリアを見つめた。淡いグリーンのバリアは安全の証。だがここから1歩外に出れば何が襲って来るか分からない。


「女神トキノ様!これからバリアを抜けます!」


 ハリーがそう言うとアヴァがまず馬を叩いた。その後にハリー隊そしてコントラタック隊が続く。

 バリアを抜けるとどこまでもベージュの砂漠が続いていた。隠れ場所はない。暑い日を浴びながら馬は進む。


 1時間位経った頃、砂煙をあげながら走り来る者を見つけた。ハリーは止まるように命じ、闘いの準備をさせた。


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