第32話 長旅

 翌日、日の出と共に戦士達はテントを片付け山岳地帯にあるリュヌに向け準備を整えた。荷馬車には沢山のトウモロコシが積まれていた。


「村長!そして村の方々!手厚いおもてなしに感謝致します。私達はバリアの外魔界を目指しますが、バリアは強固に健在。此方に被害は及びませんのでご安心下さい!」


 ハリーは大声で皆に向けて話した。村人達は応援する言葉、感謝の言葉を口々に叫んだ。


「これよりリュヌを目指す!後に続け!」


 ハリーの言葉に若い戦士達は「おー!」と雄叫びをあげる。


 リュヌは山岳地帯に位置し、村人達は猟銃を片手に山々を歩き回る。必然的に逞しい人が多く、リュヌから戦士になった者も多い。

 ここでも手厚い歓迎を受け、沢山の肉の燻製を頂いた。もちろんハリーの役目はそれだけでは無い。村人を安心させる言葉を述べ、海の村メールに旅立った。


 メールは海岸に位置しバリアまでしか漁に行けないが、それでも唯一海の幸が豊富に採れる。

 何より海に面した村はここしかない。国民達は長旅も臆せず観光に訪れた。なので宿泊施設が充実している。

 コントラタック隊はテントではなく初めてベッドに横たわり疲れを癒した。

 荷馬車には入りきれないほどのイカや魚の燻製が積まれた。

 ここでもハリーはお礼と安心させる言葉を述べ最後の街フルールに向かった。



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