第4話言い訳


 サポタが召喚されてから三十分。サポタは俺にしてくれた説明をそのまましてくれた。

 俺が"神々に選ばれし者"でチート級能力を持つこと。様々な機能。などなど。

 そして話が終わると永本は納得したような目でこっちを見て言う。


「なるほどなぁ。まぁよくわかんねーけどなんとなくわかった。まぁそれにしても"神々に選ばれし者"って!お前はなにかあるかと思えば、あみだくじで当選か。すげーな。つうか神ってのはそんなに適当だったとはな。驚きだぜ。」

「あぁほんとそうだな。俺も内心すげー戸惑ってるよ!」

「ていうことはお前のステータス見せてくれるのか?」

「ああ。永本ならしょうがねーな!」

「俺のステータスは?」

「一応見せてくれ。」

「ああ、分かった。」


 そう言いお互いにステータスを見せ合う。


「そういえばサポタ。戻るのはどうするんだ?」

「はい。戻る時は清水様が"戻れ"と行ってくだされば戻りますので。」

「じゃあ戻って。」

「はい、畏まりました。」


 そう言うと白い衣装を着た女性の姿のサポタは消え、頭の中に戻る。


「俺、あの女性好みだ。」

「お前は女性の話ばっかだな。本当に。」


 俺がそう呆れたような声で言うと、永本は吹き出し、二人で笑い合う。そんな仲なのだ。俺たちは。


ーーーーー


 俺は永本のステータス画面を見ながら"隠蔽"のスキルを使って人に見せる用のステータスを作成する。


「しっかしお前のステータスすげーなー。俺のステータスがゴミくずに見えてきたぞ?」

「そんなこと言うなって。お前だって火属性と雷属性の魔法属性持ってるじゃねぇか。」

「いやーそれに俺のレベル1なのによ。お前のレベルもう280だぜ?どう言うことだよ。」

「それもあれなんじゃねーか?"神々に選ばれし者"の称号のお……。ん?今お前俺のレベルなんつった?」

「280だけど?にひゃくはちじゅう。」

「……」

「うん。どう見ても280だな!」

「…………ハァーー!!!!????」


 驚きすぎて大声で叫んでしまった。


「なんだと!!永本!俺にも見せてくれ!」

「ああ。」


 俺は永本を押しのけてステータス画面を見る。するとそこには大変なことが書かれていた。


[名前] 清水 隆志 しみずたかし

[性別] 男

[年齢] 十六歳

[種族] 人間族

称号 転生者 異世界の学生 先駆者

    神々から選ばれし者 

    全能神のお墨付き 初級魔法使い

    見事な体術

レベル 280

体力 279985/280000

魔力 1052630/1052635


魔法 

火 lv17

水 lv15

氷 lv15

雷 lv15

風 lv15

地 lv19

光 lv15

闇 lv15

精神 lv21

空間 lv19

創造 lv16

召喚 lv19

回復 lv15


体術 lv30

武術 lv20


特性・耐性

初級・中級魔法無効化

物理 ダメージ八割軽減

魔法 消費魔力半分

物質透過

稀にダメージ吸収回復

視野拡大(360度3kmまで)

魔力感知(最大11km)

狙撃耐性

気圧耐性

水圧耐性

聴力上昇

火耐性

水耐性

光耐性

毒耐性

痺れ耐性

呪い耐性

精神魔法耐性

回復魔法回復力アップ

ステータス覗き見不可


スキル

無限アイテムボックス

レベル上昇補助

隠蔽

全武器使用可能

調査



 思わず絶句した。……なんだよレベル280って。こんなん絶対見せられないじゃん!それに魔力百万越えとか……。

 つうかスキルの"レベル上昇補助"働きすぎなんだけど!


「大丈夫か?たかし。口と目開きっぱなしだぞー?」

「……あ?ああ。大丈夫だ。あまりに驚きすぎて飛び立ちそうだったぜ。」

「自分のステータスに驚いてどうすんだよ!まあこれは驚かねー方がおかしいけどな。」


 永本も同情してきたが、本当にこれだけは自分が一番驚いたと確信した。



ーーーーー


 俺の作業が終わり偽装用のステータスが完成した頃、壁一枚向こう側では先生達が焦りの表情を浮かべていた。


「清水君と永本君はまだ見つからないか!?」

「まだ見つかってないですね。」


 その中で一人不敵な笑みを浮かべるのは、まだ魔法が解除されておらず地に伏している田村先生である。


「あいつなんて死んじまえばいいんだ!」


 そう他の先生たちが焦ってる中一人ぶつぶつと言っている。

 その姿には他の先生のみならず生徒たちの目にも冷たい目線が送られているが、無視され続けている。

 その時だった。


「すみません!」

「この声は!」


 すると全員が声のする方向に耳を傾ける。


「すみません。転移魔法を使ってみたらなんか変なところ行っちゃってて。」

「ほんと、びっくりだよ!たかしのおかげでちょっと危ない目にもあったよ。」

「ごめんごめん。でも先生方みてください!」


 俺はそう言い、アイテムボックスから焼かれたコウモリを四十体近く出す。それを見た先生達や生徒は呆然とする。


「そのおかげで食料確保しました。僕の体術と火属性魔法でなんとか。」


 まぁというのは嘘で。なんとかではなく一瞬だった。

 コウモリが飛んでいる場所まで二人で転移で行く。そしてコウモリたちが寝ているところに火の玉を一発打ち込む。するとそれが一匹のこうもりに当たると火の玉は爆発し、辺り一面火の海となる。

 それで焼け死んだこうもりをアイテムボックスに入れていく。俺には火耐性があり火の中を歩いても全く平気だった。だがゲームなどと違うことは服は燃えてしまうということ。

 なので服をコウモリの羽を使い創造魔法によって作り出す。高級コートのようなイメージをしたため四十匹のコウモリの体毛と羽毛は全部それに使われてしまった。

 膝まで隠れるほどのコートである。学校のジャージよりは温かくなったか。洞窟の中少し肌寒いし。

 またその近くにもコウモリの群れがいたのでそれらも一掃し、永本のも作ってやった。永本は俺のこの能力を早くも受け入れたみたいで、さほど驚かずジャージの上にコートを羽織ってくれた。

 また俺のパンツまでも燃えてしまったので、その群れの数体でパンツはしっかり作った。下がスースーするのはいい気分ではない。



「まぁ無事なら良かった!今後魔法は慎むように!」

「はい!すみません!」

「それにしても……そのコートはどうしたのかな?」

「……そこらへんに落ちてたんです!二着。ね!永本!」

「ああ、うんうん!そうそう。偶然ね。偶然……。」

「ふーん、そうかそうか。まぁいいや。このコウモリの肉は本当にみんなに分けてしまっていいのかい?」

「はい!僕たちはもう食べましたので!」

「え!?もう食べたのかい!?毒があったらどうするんだ!!」


 それは大丈夫です!俺のスキルの"調査"で調べました!っなんて言ってもな〜。                 

 もうすでに俺のステータスで割れてるのは火・土・空間・精神魔法だろ?あと体術もあるし。アイテムボックスも割れてるしなー。これ以上新たな名前出すとめんどくさそうだし。どうしよ。

 と思っていた時、後ろから声がかかる。


「これは大丈夫ですよ。」

「え!?」

「僕のステータス画面には[スキル]があってそれが"植物動物鑑定"です。それはコウモリ。死因は焼死。毒無しで食用にも向くと書いてあります。」

「それは本当かね!?」

「はい。本当です。」


 知的に話すその人は二組の立川だ。眼鏡を押し上げカッコつけてくる。

 確かあいつ生物部だったっけか。テストの学年順位上位陣だったったな。


「そうか。今は食べられるものはどんどん食べなければな!餓死してしまう。これはありがたくもらっておく。しかし!今回は許すが、君が田村先生の拳を避けたのは事実ではあるが、それ以上にここは危険な場所だ!単独行動は慎むように!いいね?清水くん、永本くん!」

「「はーい。」」


 俺たちが戻ってきたことを確認した田村は一人舌打ちをした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

「神に選ばれ、神になる」そんな俺のものがたり 竹華 彗美 @take-hana

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ