番外編

幽霊の日

「そういえば今日7月26日は、幽霊の日らしいですね」

レイジが言う。初耳だよそんな日。初耳学だよ。

「由来は知りませんけど、多分死人が帰ってくる日ではないですか?」

由来知らないのかよ。まぁ僕も作者も知らんみたいだけど。(作:お恥ずかしいっす……)

「幽霊の日ね……

確か、江戸にある中村座って所で四代目鶴屋南北作の『東海道四谷怪談』が初演されたそうで。今も受け継がれる人気の歌舞伎演目が初めて披露されたのがこの日だったのよ。(出典:https://tenki.jp/lite/suppl/y_kogen/2017/07/26/24451.htmlより。興味がある人調べてみてにょ)」

「すいません。全く理解できません。」

「まぁ今日は死者の幽霊が沢山出てくる日だから。この屋敷にも何人かくるでしょう。今日は忙しくなるわよー」

「はーい。」


午前零時。

普通この時間になれば辺りは静かになる筈だか、今日はやけに騒がしい。

まぁ無理もないだろう。だって外に幽霊沢山いるし。普通の人間には聞こえてないから騒ぎ放題だ。


「はーい!皆さまこんばんはぁ!」

例のハイテンション猫がやってきた。(すまん。しばらくこいつのこと忘れてた。)

「今日は幽霊の日なんだってねぇ!」

「そうだよ。てかアンタ、この前よくも逃げ出したわね……」

「ひぃい!!お、お許しを!!!」

「いいわよ。もう終わった事だし。」

「そんなことより、何しに来たんです?」

「なんとなく☆」

は?

「それより今日は人が多いねー。みんな何してんだろう?」

「死者がこっちの世界に来ているのよ。まぁ逆御墓参りみたいな。」

「何それぇ?」

「まぁ、家族に会うためにこっちに来ている、とでも思っておいて。どうせ理解できないでしょ。」

「馬鹿にしてるの?」

「めちゃくちゃ馬鹿にしてる」

アリルは人を馬鹿にする天才か。


「結局今日は幽霊の日だったけど、特に変わったことは何もなかったわねぇ。事件も起きなかったし。」

「そーやって油断してると、事件って起きるんですよね。」

「てかあなた、本当に幽霊になってよかった?」

急な問いかけ本当にやめてほしい。

「ま、まぁ。はい。良かったですけど。

元々自分の人生に嫌気がさしていたもんで。」

「そう。なら良かった。

そういえば、梅雨頃になんか事故があったそうね。確か少年が何かを追いかけていたって。」

「どうせ歩きスマホでポ○モンGOかなんかやってて事故ったんでしょ。」

「いや、何かを焦っていた様子だったって。」

「それは不思議ですね。幻覚でも見えてたんでしょうか。」

「まぁ、今日はこんな時間だしもう寝るとしましょう。もう何も起きそうにないし。」

「そうしますか。」


こうして今年の幽霊の日は(結局グダグダだったけど)終わりを告げた。


番外編 幽霊の日 終わり


メリア「あたしの出番は!?」

執事「番外編に出るのは無理があろうと思われます」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る