ガラクタ人形と仮面男の遊戯会 ①

遡ること3時間前……


「いやぁ今日も茶がうまいのう」

それは爺が茶を飲んでゆっくりしている時の出来事であった。


カタ…


微かに音がした。

「ん?今、何か動いたかのう?」


カタカタ……

音は更に大きさを増す。

「まさか……これは!」

爺は急いで人形の方へ向かった。


その音の正体は…

「人形じゃ!そこにいるんだろう!」

…は?ちょ待て爺よ。まさかこの天の声が聞こえてるとかないよな??

「いや、はっきり聞こえているぞい」

…マジか。マジなのか。もう私はストーリーテラー失格か。

「ちょっと!五月蝿いから黙ってておくれ!」

はいはい、小さい声で話しますよ。


さぁ、本題に戻ろう。少しお遊びが過ぎた。

「!!」

そこに見えたのは、人形が立っている姿だ。

〔哀れな幽霊どもめ……〕

「!?人形が喋っているじゃと!?」

〔お前らにあの人を止める事は出来まい。〕

「あの人!?それは誰だ!?」

〔まずはお前からだ……

私の催眠術で眠るがよい!〕

しょぼ……

あ、やべっ。つい言っちゃった☆

「ま、待て………」

〔宝はもうあの人の物だ!〕

そう言って人形は立ち去った。


—————————————————


そして現在……


「この人形クンのおかげで薬がどこにあるのかは把握しています。

大人しくしていれば手荒なマネはしまセンよ。」

あの人形…やはり関係があったのか!

「この前聞き忘れていたけど、薬を奪ってどうするつもりなの?」

「それハ、メリア様に口止めされているので言えまセン。

まぁ、アナタ達には関係無いでショウが。」

こいつ、僕らの事を完全に舐めている。

武器は持っているが、まだ様子見だ。

「さぁ、そこを退くのデス、愚民共。

それとも、力尽くでワタシに抵抗しますか?」

「当たり前じゃない!貴方なんかにあんな貴重な物渡さないわ」

「……仕方ないですね。」

仮面の男は指を鳴らした。

同時に、大量の人形が現れた。

「"ガラクタ人形"デス。一つ一つの力は弱いですが、足止めには充分デス。」

ざっと300体はいる。

「では。楽しい遊戯会を。」

仮面の男は消えた。

「私は薬を見てくるわ!」

「わかりました!こっちは任せてください!」

アリルは走って行った。

現在時刻、AM0:53。

行ける!

「おい人形共!こっち来い!」

向かった先は、あの公園だ。

ここなら屋敷の邪魔にならない。

今は秋だ。陽はまだ上がらない筈。


遊戯会か。なら楽しんでやるよ!

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