It's Show Time!!! ③
「ちょっと待てタイムタイム!君が特異能力者なんて聞いてないよ!?」
「敵にそんな事教えるかよ!僕だって最近身につけたんだよ!しかもたった今!」
デリスは困惑の顔をしている。この前聞かなかったから想定外の出来事なのだろう。
「じゃ、かたをつけるとしますかねぇ!」
「フン、寝言は寝て言え!」
僕はこの能力を完全かどうかわからないが、操れるようになっていた。
相手の動きが遅く見える。と言うか、僕が早すぎる。
「こいつ、一体なんなんだ!?
しょうがない。こうなったらあまりやりたくなかったが魔法を使うしか!」
魔法を使わないって舐めプ?まぁいいや。
!?急に体が、重く…!
「これでお前はしばらく動けない!
さぁ、大人しくくたばりな!」
やばい、調子乗りすぎた!
その時、一瞬黒い影が現れた。と同時に、デリスの骨が一本飛んだ。
「なっ…!?」
「大丈夫かなって思ったら、やっぱ手こずってたわね。」
この声は!
「薬の方は大丈夫だから、とにかくこいつを倒すわよ!」
間違いない、アリルだ!
「は、はい!」
「なーに、人数が増えただけだぁ?
たかが1人変わりはしないぞ!」
相変わらず舐めた口調だ。
「あなたの腐った根性はいつになったら尽きるのかしら。」
「フン、黙っておけ!この屋敷の主人でありながら、侵入者1人いれされるなんて!!」
ちょっと待て、え?
アリルがこの屋敷の主人???
聞いてないぞそんな事。
「はぁ、せっかく隠してたのに。もういいわ。さっさとケリつけましょ。」
待って僕このまま?
2人の動きが見えない。まぁ暗いからってのもあるけど。
「そんなしつこく宝狙ってきてどうするのよ!あなた人間に戻っても意味ないでしょ!」
「使うのは僕じゃない。我らがメリア様が、この屋敷の宝を求めてらっしゃるのだ!」
「メリアですって!?」
アリルの動きが少し止まった。
「まさか…そんな事って…!」
「わかったらさっさと宝を差し出すんだな!」
「そんな事させないわ!なんとしてでもね!」
部屋が崩壊寸前だ。僕の頭の上に埃が舞う。
「そろそろ終わりね!さぁ、観念しなさい!
"ナイトメア"!」
アリルの特異能力だ。
毒蜘蛛がデリスを襲う。
「おやすみなさい、いい悪夢を。」
そう言い放った瞬間、デリスの髑髏が地面に落ちた。
「もう…だめだorz」
その言葉と同時に髑髏が割れ、中の魂がヒョロヒョロと屋敷から去って行った。
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「そういえば、あなたがこの屋敷の主人ってどういう事ですか?」
「隠していて悪かったわね。この前の話はでっち上げよ。実は私が、この屋敷の第23代目の主人よ。」
まじかよ。1番はじめに会った幽霊が屋敷の主人て。
「そうだ、あなたの名前考えたわよ。」
「!?」
そうだった。名前の事なんてすっかり忘れてた。
「あなたの名前は、『エイル』よ。」
エイル、いい名前。
「さぁて!屋敷の片付けしましょ!
終わったら宴よ!」
「はい!」
これで、僕のはじめの事件は、幕を下ろした。
そういえばメリアって誰だ?
—————————————————
「失敗した?そんないい訳、私に通じるとでも思った?」
少女が笑いながら言う。
「すみません!次こそは、必ず宝を持ってきます!」
「あなたにはがっかりだわ。もうあなたは用済みよ。」
「え…?」
「新しく助っ人を呼んだの。あなたより頼りになる、ね。」
そう言うと、彼女は誰かを呼んだ。
「はいはい、お呼びでしょうかお嬢様。」
その男は仮面を被っていて、素顔は見れない。
「こいつを消して」
「はい、わかりました」
「え!?ちょっと待って下さい!消すってどう言う意味ですか!?」
すると彼女は、冷たい目でデリスを見た。
「そのままの意味よ。あなたには消えてもらうわ」
「大人しくしていれば痛くないですよ。」
その男はゆっくりデリスに近づいていく。
「さようなら。」
その言葉と同時に、デリスの魂は消えた。
「あとはよろしく。」
「はい、お任せあれ。」
仮面の男は不気味に笑った。
第1夜 ナイトメアショウタイム 完
ブゴ「俺の出番少なすぎね!?」
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