It's Show Time!!! ①

男の声と同時に、スケルトンの軍勢が寄ってきた。すでにこっちは、ほぼ全員出動だ。


「なんなのよコイツら!前より多くなってるじゃない!」

アリルはそう言いながらも、前方のスケルトンをざっと25体ほど消しとばした。

「全く、余計な霊力使わせて、何が目的なのよ!」

そんな声は届かない。どうやらコイツらには魂が入っておらず、命令に従って動くブリキ兵のようなものだ。

「私がここ片付けるから、あなたは他の幽霊たちを守ってあげて!」

「はい!」


僕は急いで東館(普段幽霊たちが寝泊まりする場所)に向かった。

すでに幽霊たちは避難しており、スケルトンたちが部屋をめちゃくちゃにしている。

「おいお前ら!この僕が相手だ!」

そう言った直後、一斉にスケルトンの目が赤く光り、こちらに向かってきた!

こうなったらあの能力を使うしかない——


特異能力"幽玄の乱"!!


例のごとく辺りが光り、スケルトンたちは一斉に消え去った。

ちなみに能力名は僕が勝手n……

いや、アリルにつけてもらった。


「奪えるものなら奪ってみろ!お前たちに俺は倒せない!」

ブゴが強気に言う。

「この厨房に、お前たちを絶対に入れさせない!さぁ、かかってこい!」


ブゴの特異能力"クックフィーバー"!

ありとあらゆる調理用具で戦う、側から見たら、まぁ、何というか、アホらしい。でも強さは保証済みだ。

あっと言う間に敵の軍勢が消えた。


「だいぶ片付いたわね。あとは…」

あとはあの親玉、魔法使いスケルトンだ。

「ここは二手に分かれて探そう。私と君はこっちの西館、ブゴと数人は東館を探して頂戴」

了解、と言わんばかりに分かれた。


「…すでにここは漁られているようね。あとは…謁見室と、あのホールね」

暗い廊下を進む。手には頼りない光のランプをぶら下げている。

「それにしてもあいつ、あれを奪ってどうする気なのかしら…」

「あれ………?」

何か大切な物?

「そっか、君にはまだ話してなかったね。

実はこの屋敷には、薬があるのよ。大昔、科学者の幽霊が死ぬ前に一つだけ生み出した、いわば宝のようなもの。

それを代々受け継いできたんだけど、その間にそれを狙う幽霊たちがどうも多くてね、毎回こんな大騒ぎ。」

毎回こんなでは大変だ。この屋敷にはまだまだ秘密がありそうだ。

と、話している途中でホールに着いた。この部屋は2つの部屋がくっついて、ものすごく広い。

普段は客のもてなしに使うのだが、最近は使われていないようだ。


見渡す限り真っ暗。ここにもいないか——

そんな事を考えていた次の瞬間だった。

突如、ステージの照明が光り、黒いコートを着た男が立っていた。

「やはりあなたなのね。がっかりしたわ。」

「お褒めいただきありがとうございます。」

聞き覚えのある声、コイツはまさか!

「やぁ新入りクン、1週間ぶりだね。少しは強くなったのかい?」

やはりそうだ。こいつは、この前この幽霊屋敷に来ていた、確かスケルトンと名乗っていたはず…!

「僕の本当の名前は、デリスと言うのさ。さぁ、宝を頂くよ!」

「させるものか!」

僕とデリスは同時に走り出した。


続く

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