第4話 CoroRs★のチケット

と、まぁこんなヤツだけど、根は良いヤツなんだよな‥‥多分。


そんなことを考えていると


ライン♪


 茜のスマホが鳴り、茜がスマホを出して確認する。


「‥‥涼、ちょっと手伝え」

「‥‥‥‥」


どうやら担任にクラスの提出物を職員室まで取りに来るように言われたみたいだ。


「重たいね~」

「あぁ‥」


屋上に出たとたんキャラが変わるコイツに少し戸惑ってしまう。

ちゃっかり半分持たされてるし‥


「あ、そういえばお前バスケ部でスパルタ特訓してるんだろ。この間アイツらから聞いたぞ。」


そうコイツは学級委員でもあり、バスケ部のマネージャーでもある。


「チッ‥え~、そんなことないよ~。」


笑顔で言うコイツ。


「あんなんでスパルタなんて言われたらこっちが無理だわ」


唐突に元に戻るなよ‥


「うちのバスケ部はあれぐらいしないと大会ヤバいって」


大会か‥


「まぁ、アイツらもお前が元‥‥って知ってるのにスパルタ特訓して、疲れきったところで優しくされるから、やめられないって言うんだから、アイツらも相当のバカだよな‥」

「それな」


そんなことを言ってるとこっちに向かって走って来る足音がする。


「センパ~イ!姉k」

バカ!その名前で呼んだら。


ドスッ!


茜の見事な後ろ蹴りとともにバカの腹に蹴りが入る。

そのまま倒れ込んだ。


「大丈夫か‥?」


さすがに心配になった。

だが、アイツには効かなかったみたいですぐに立ち上がり、


「もー!何するんですか!痛かったんですけど!」


と膨れっ面になる。


「‥‥あの蹴り入れられてピンピンしてるお前すごいな‥」


茜もオレと同じように呆れ気味で

「はぁ~‥」とため息をついている。


「あ、そうだ。頼希このチケットあげる。」


そう言ってアイツに渡したチケットを見ると

今、人気のCoroRs★(カラーズ)のライブチケット。


CoroRs★とは

アイドルグループの5人組のユニットで歌やダンスはもちろんのことトークも面白く、

今10代から人気絶頂なのだ。


もちろんオレも大ファンでチケットを買おうとしてもすぐに完売してしまうほどのすごくレアなものがアイツの目の前にある。


「え!これってCoroRs★のライブチケットじゃないですか!」

「親戚からもらったんだけど私興味無いからやるよ。ちなみに二枚あるから」


‥オレも行きたい‥‥


だけど貰ったのはアイツだからオレが言うわけにはいかない‥


「よし、じゃあセンパイ一緒に行きましょうよ!」

「‥‥!」


おいおいおい‥!お前は神か!


「嫌ですか?」

「嫌な訳がないだろ!!行く!」


オレの食いつきにびっくりしたらしく目を少し見開く頼希。


「分かりました。一緒に行きましょう♪」


頼希はそう言って嬉しそうに笑った。




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