第2話 早崎さんは誤解される

 「竹内君、聞いて。私、魔法が使えるようになったみたい。」


 そう言って微笑んだ早崎奈那はすんげぇ可愛かった。


 「早起きは三文の得」などという戯言を今まで信じてなかった俺だが、今回ばかりは信じるほかなかった。


 2万マイル以上の笑顔だろあれは。

可愛すぎるのにもほどがある。

これ以上言うと流石にキモいのでここら辺にしておくが......。

.....やっぱ、もう一度だけ言わさせてくれ。


She is so cute !


 彼女の可愛さについてはまた考えるとして.....今、魔法がどうのこうのって言っていたような気が気がするんだが....。


 ピシャン


 そんなことを考えていたとき、ふとドアの方から音がした。

気になったので振り返ってみると、そこにはクラスメイトの女子Aがいた。

(※まだ、名前をしっかりと覚えていないので、取り敢えず女子Aってことにしておく。確か、久保なんとかだったような気はするんだが....。)

 女子Aは、俺と早崎がで向かい合っているのを見るやいなや、何やらお察ししたらしく、顔を真っ赤にしてドアも閉めずに廊下を走っていった。


 ヨクナイトオモウヨ。ソウイウノ。


 ....え?嬉しかったかだって?

 嬉しかったさ。なんか悪いか?


 一方、早崎はというと、


「神田さん具合い悪そうだったけど大丈夫かしら。」

と、別のことを心配しているようだ。


 なるほど女子Aの名前は神田って言うのか。


「私、神田さんのこと見てくるから。」


そう言って早崎が出っていった後、一人教室に取り残された俺は、たった2、30分のことに整理が追いつかず立ち尽くしていた。


.....明日も早く来ようかな。


俺が考えていた事といえばそれぐらいだ。





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