第2話
雨はまだ止みそうもない。
しかし、彼は少し元気になったのか?起きてきた。
「助けてくれてありがとう。これから、家に帰るよ」
少年はそう言って、家に帰ろうと外に出た。
キキキー。
物凄い衝突音が鳴り響いた。
ーー事故だ。
彼はそれを目撃してしまった。
フラリと倒れ、また私は室内に招き入れた。
布団に彼を連れていき、横にならせると私はテレビを点ける。
目の前で起こった事故の為、救急車と警察の手配はしたが、、この後は彼らに任せるしかないのだ。
ガラスの破片が刺さったのだろう。
血だらけの人に助けを求められ、私の心臓はまだドキドキと激しく胸を打っている。
事故は怖い事を初めて思い知らされた。
彼はフラフラしながら起きてくる。
私は彼に温かいお茶を入れてあげた。
「飲んで」
「ありがとう」
温かいお茶を口に含んでから彼は言った。「僕、片山さとし。今中2なんだ」
「私はーー」
自己紹介の最中に、玄関のカギが開けられる音がした。
「ただいま。誰かお客さん?」
その声は母のものだった。
「おかえりなさい。今目の前で事故があって、、警察と救急車を呼んだけど、後はなにしていいか?分からないから、家で待ってたの」
今の状況を伝えた。
「そうみたいね。大変だったね!」
私の頭を撫でると、母は不意に気づいた様にして「ーーその子は?」と聞いた。
「あ、そうそう。彼は片山さとし君って言うんだって、、。具合悪くなって倒れてたから、横にならせてあげたの」
「そうなの?ーーもう大丈夫なの?」
母は彼を見た。
おでこを触って「熱はないようね。どう具合が悪かったの?」と彼に聞いた。
「目眩がしちゃってーー」
「そうだったの?もう大丈夫?もー少し休んでいくといいわ」
母はそう言って、彼の自宅の電話番号を聞き、彼の家に電話をしようと受話器を握った時ーー彼は言った。
「あ、、あのーーいいです。連絡はしないでください」
彼は必死な顔でそう訴えたが、お母さんが心配するでしょ?と言うと、彼は言った。
「お母さんは今家にいないんです」と。
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