【 Ⅱ 】──登場人物紹介② (推奨・第二部読了以降)



①──◆中心人物



  ▽ライ〔ライ・フェンリーヴ〕


 主人公。勇者の家系フェンリーヴ家の次男。基本的に運が良いがトラブルに関わり易い。

 シウト国を旅する中、エノフラハの街にて発生した『魔獣事件』により行方知れずとなる。


 実はトシューラ国に連れ去られており、魔石採掘場での強制労働を余儀無くされていた。

 その間、魔石を摂取し続けたことにより魔人化。その力を以て採掘場を脱出し世界を巡ることとなった。前髪が一部白髪化している。



  ▽メトラペトラ


 【熱】を司る大聖霊。白い翼ある黒猫の姿をしている。一人称は『ワシ』。お酒大好き。


 トシューラ国・宝鳴海にある魔石採掘場の下層に封じられていたが、ライの手により解放。ライと契約し師匠となる。


 

  ▽フェルミナ


 【命】を司る大聖霊。見た目は十代半ばの絶世の美少女。湖に魚の姿で封印されていた。


 エノフラハでライが行方不明となった後もフェンリーヴ家に滞在。ライの帰りを待ち続けている。



  ▽マリアンヌ〔マリアンヌ・ラング〕


 魔力で動く機械兵を元に魔導科学者ラジックが生み出した『新兵訓練用魔導兵』。フェルミナの概念力により生命を持ち完全な生物に進化を果たす。完璧メイドさんでもある。


 ライがエノフラハで行方不明となった後、帰還を信じ自らが為すべきことを模索し始める。

 シウト国・エルフトに創設された戦闘訓練所の教官を務める。



  ▽リル


 『魔の海域』の主であるシャチの魔物【海王】の体内にて、ライが出会った幼女。正体は海王の精神体。

 海王の体内に巣食う夢傀樹を倒したことでライの前に姿を現した。


 精神は見た目通りの子供で寂しがり屋。共に行動する為にライの手により『一つの精神に二つの肉体』を獲得し、共に旅をすることになる。



  ▽エイル〔エイル・バニンズ〕


 三百年前に勇者バベルにより封印された【魔王】。


 かつてトシューラ国に兄を殺され復讐の為に古の禁術【魔人転生】を使用──結果、暴走し魔王となった。

 南の孤島に永く封印されていたところをライが解放してしまう。


 ライの手により正気に戻されたエイルは、ライに心を救われたことで恋心が芽生えた。


 その後、自らの罪を償う為に故国カジームへと向かう。



②──◆フェンリーヴ家



  ▽ロイ〔ロイ・フェンリーヴ〕


 ライの父。庶民勇者の家系でありながらも、勇者として家族を養う力がある『それなりの勇者』。妻ローナに世界一愛している愛妻家。


 勇者を引退後は統括大臣補佐の文官。



  ▽ローナ〔ローナ・フェンリーヴ〕


 ライの母親。元魔術師。某国の領主の娘だったが駆け落ちの末シウト国に居を構えた。夫を支える肝っ玉母さんでもある。


 フェンリーヴ家は同居人が増えて賑やかな暮らしとなった。



  ▽マーナ〔マーナ・フェンリーヴ〕


 ライの妹。『三大勇者』の一人と言われる程の実力を持つ女勇者。お兄ちゃん大好きっ娘。


 ライが行方不明となった後は実家に戻り、兄の帰還を待ちながら時折捜索にも出掛けている。

 ライの失踪当初はトシューラ国に乗り込み一暴れ。会敵した『双子の魔王』とも戦った。



③──◆フェンリーヴ家同居人



  ▽エレナ


 神聖教司祭にしてマーナの旅の仲間の一人。そしてマーナの親友でもある。


 トシューラ国に乗り込んだマーナに同行した際、『双子の魔王』と会敵。マーナと魔王の戦いに巻き込まれ瀕死の重症となる。

 その後、フェンリーヴ家にてフェルミナの手により蘇生。そのままフェンリーヴ家の厄介になることとなった。 



  ▽アリシア


 エクレトル──神聖機構の天使。情報部門担当で世界情勢の監視を役割とする。

 『特殊竜鱗装甲』の情報を追う中でディコンズのシルヴィーネルと知り合う。


 覇竜王ライゼルトが巣立った後もシルヴィーネルと共に行動し、フェンリーヴ家に同居。

 その後はフェルミナ、マーナ、エレナ、シルヴィーネルと共に行動することが増えた。 



  ▽シルヴィーネル


 ライがディコンズで出逢った氷竜。


 覇竜王の卵も無事孵化を果たししばしの間育てたシルヴィーネルは、覇竜王ライゼルトの巣立ちと共に自由の身となった。

 その際、協力してくれたアリシアと共にライの元へ『竜鱗装甲』の返却へと向かう。


 ライの帰還を待つ名目で滞在を勧められた後はフェンリーヴ家の居候としてストラトで暮らすこととなる。マーナ、エレナ、アリシアと良く行動を共にしている。



◆トシューラ国


④──▼トシューラ魔石採掘場・強制労働者



  ▽パーシン〔パーシン・ドリス・トシューラ〕──〔ファーロイト・ティアジスト〕


 トシューラ国秘密採掘場に囚われていたトシューラ国第三王子。


 ライが魔石採掘場に囚われてから何かと世話を焼き友人となる。以来、二人は魔石採掘場から脱出する為の計画を立て行動していた。


 トシューラ王城に居る頃から城を抜け出していた為、隠密行動が得意。採掘場を出てシウト国に救われてからは、キエロフの配慮により『ファーロイト・ティアジスト』と名を変え、トラクエル領主副官となる。 



  ▽フローラ


 魔石採掘場に囚われていた十代前半の容姿をした少女。

 労働者の一人に『魔族』として虐げられていたところをライに救われる。


 その正体は魔法王国の末裔レフ族。魔族という呼称は『レフ族の国カジーム』を侵略したトシューラ国とアステ国の謀略に因るものだった。


 魔石採掘場から脱出後は一時的にシウト国に保護された。



  ▽ベリーズ、ナッツ


  フローラと共に囚われていた男女の双子レフ族。ベリーズが女の子、ナッツが男の子。


 行方不明となった両親を捜す為、フローラと共にレフ族の里を脱け出した旅先で人攫いに捕まった。



  ▽三兄弟〔ジョイス、ウジン、アスホック〕


 トシューラ魔石採掘場に囚われていた?三つ子の大男。浅黒い肌に筋肉隆々、彫りが深い顔で目が影になっている。

 巨大な石像の様な肉体派の印象とは違い、割と俊敏で魔法を得意とする。


 人情に厚く、魔石採掘場を脱出した後はライの要望に応えシウト国に仕官している。



  ▽ダグレック


 中年の大男。フローラ達を魔族として虐げていたがライにより撃退された。

 その後復讐を目論むも失敗。崖下に落下するところをフローラに救われ改心した。



⑤──▼トシューラ王族


 

  ▽パイスベル


 トシューラ国を支配する女王。狡猾にして冷酷。


 実の娘である第二王女ルルクシアを溺愛し他の王位継承者の脱落を画策している。

 


  ▽リーア


 トシューラ国第一王子。傲慢な性格で色狂い。トシューラ陸軍を統括している。


 トシューラ王家の血を体現したような強欲さを持ち、何事も力で手に入れようとする。

 半分とはいえ血が繋がった弟ディーヴァインを見下していた。



  ▽アリアヴィータ


 トシューラ第一王女。高慢な性格。


 一見しては容姿端麗。しかし、半分血の繋がった弟ディーヴァインの失敗を喜ぶような歪んだ性格をしている。



  ▽ディーヴァイン


 トシューラ国第二王子。


 トシューラ国の海軍を管理していたが、秘密保持の4魔石採掘場から逃亡した者を抹殺する為に大軍を差し向ける愚行を犯す。

 『魔の海域』にて大艦隊を壊滅させてしまった責任を取り、大罪人とされるデルメレア・ヴァンレージへの討伐を命じられた。


 その後、消息不明。



  ▽ルルクシア


 トシューラ国第二王女。


 女王パイスペルの実子であり王位最有力候補。儚く可憐な容姿に加え高い知性を持つ。


 柔らかな物腰からは想像が付かない冷酷な思考を廻らせている。 



  ▽サティア、プルティア


 トシューラ第三、第四王女。


 双子のサティア、プルティアは先祖返り──つまり、天然の魔人。その有益性故に二人は王位争いに於ける殺し合いから除外された。

 精神を操作され無気力な人形の様に振る舞っているが、それらは二人を守る為兄パーシンが演技として仕込んだもの。


 兄パーシンが迎えに来てくれると信じ、トシューラ王城にて待ち続けている。



⑥──▼その他トシューラ関係者



  ▽オルスト


 トシューラ国に雇われている傭兵集団『フォニック傭兵団』の団長。

 元は副団長だったが、団長ともう一人の副団長が死亡したことにより格上げになった。


 報酬として得た魔石採掘場を確認に訪れたが、ライに捕縛されそのまま魔の海域への航海を共にすることに……。

 ライに対し異様な対抗心を示すも、最終的に圧倒され【呪縛】を掛けられた後カジーム国に転送された。

 


  ▽レイス〔レイス・オールド〕


 トシューラ没落貴族の嫡男。両親が死んだ為生活の為に軍に仕官。 

 パーシンの追放を知り貴族に逆らった為に魔石採掘場に左遷される。生真面目な性格故か、劣悪な環境でも人道を踏み外すことは無かった。


 魔石採掘場にて再会したパーシンに改めて忠誠を誓い、共にシウト国へと向かう。



  ▽デルメレア・ヴァンレージ


 トシューラ国・元近衛騎士筆頭。


 『トシューラの勇者』とまで言われた人物だが、突如王家に牙を剥き出奔。追手のトシューラ兵を皆殺しにした末、行方不明となる。

 その後、『王家の墓』にて存在を確認されるも誰も手を出せず放置状態となった。



 ▽ジレッド


 三百年前のトシューラ王。


 厄災である『夢傀樹』の軍事利用を画策し失敗。トシューラ国内を疲弊させた。

 悪運が強く狡猾な思考で暴君として君臨。


 アステ国の元となった国を誑かしカジーム国を襲撃。エイルにとっては真の仇とも言える存在である。



◆シウト国


⑦──▼王都ストラト



  ▽ティム〔ティム・ノートン〕


 ライの親友。幼馴染みにして商人。商才があり、人を巧みに利用する狡猾さと情報収集に長ける。ぽっちゃりさん。


 ライが行方不明となった後、ライの関係者達と知り合い商人として更なる躍進を続ける。


 

  ▽キエロフ


 シウト国首席宰相。高き志しと才覚を持ちながらも、王の腐敗を止められず自らも堕落しかけた。

 ライとティムの企みに巻き込まれたことで志しを思い出し国の為の奔走を始める。シウト国になくてはならない人物。

 


  ▽クローディア


 ケルビアム王とシンシアの娘。若くして王位に就くことになる。



  ▽フォニック──『勇者フォニック』


 三大勇者の一角と噂されていた人物だが、その実は六大国の一つ『トシューラ国』が策略の為に作り上げた偶像だった。

 フォニックの素顔は誰も知らない為、ティムの案でケルビアム王を退位させる際に存在を利用することになる。


 因みに、現在の中身はレグルスである。 



 ◆ノルグー領


⑧──▼ノルグーの街



  ▽フリオ


 ライがノルグーの街で最初に縁を繋いだ人物。気さくで面倒見が良いノルグー騎士団第三師団長。

 ノルグー領主レオンの嫡男でありレイチェルの兄でもある。


 ライが行方不明となった後、残された役割を果たす為に奔走。その過程でティムやパーシンとも友情を結んだ。



⑨──◆エルフトの街


 ▼エルフト訓練所



  ▽アウレル


 マーナの旅仲間の一人。元傭兵戦士で砕けた性格をしている。


 トシューラ国で起こったマーナと『双子の魔王』の戦いでエレナが瀕死となり力不足を痛感。フェンリーヴ家繋がりで噂に聞いたマリアンヌの訓練所に鍛練を受けることとなる。 



  ▽シュレイド


 元ノルグー騎士第三師団に所属していた若き騎士。物語第二部の時点で第二師団長にまで成長を果たした。

 その功績からエルフトの訓練所にて優先的にマリアンヌの訓練を受けることとなる。



  ▽バズ


 シウト国近衛兵団副長。


 キエロフにより選抜された騎士はシウト国エルフトにて訓練を受けることになった。才ある若き者達を優先し第一陣として送られた中にバズも加わることとなる。



  ▽アーネスト


 シウト国デルテン騎士団長。比較的寡黙にして真面目な男で思慮深い。斧槍を武器とする。



  ▽イグナース


 シウト国イエクト領出身の新人騎士。天才と名高く齢十六にして覇王纏衣までをも修得している。

 但し、経験が足りないので駆け引きは苦手。



  ▽ドロレス


 シウト国トゥインク領の女騎士『薔薇騎士団』の団長。美人で男女どちらからも人気がある魅力持ち。



  ▽ファイレイ


 シウト国元老院議員エグニウス賢人の孫娘。天賦の才を持ち飛翔魔法や念話などの神格魔法まで修得している。



  ▽ネスティア


 小国ベネリーグ出身の村娘。生まれながらにして数々の力を宿した少女。特に無詠唱転移魔法等の奇跡を起こし、祖国ベネリーグでは【聖女】とまで祭り上げられていた。

 やがて良からぬ輩からその力を狙われ、ネスティアは家族と共に祖国から逃げた。


 エルゲン大森林にて獣人達に救われたネスティアの家族はそのまま大国シウトに亡命するに至った。


 大きな力を持ちながらも優しい性格で戦いには向かない。その為、他に出来ることを模索している。



  ▽サァラ〔サァラ・レオ〕


 プリティス教に孤児として引き取られた少女。悪夢のような日々を必死に生き抜く。

 魔法の才能をアニスティーニに利用され、『盗賊ファントム』として活動していたが、ライやフリオ達の活躍により悪夢から解放された。


 断絶したと思われた貴族『レオ家』の生き残りで、ノルグーの魔導師クインリーに引き取られ共に過ごすこととなる。 


 その後……大きく才能を開花させ始めたサァラは、エルフトの訓練所にてマリアンヌから修行を受けることになった。



 

⑩──▼その他エルフト関係者


  ▽ラジック・ラング


 魔導科学者。狂人染みている様で芯の部分では理知的な面も持つ。天才的な才能も持ち合せマリアンヌの生みの親。


 割と太っ腹で、自ら所有の土地を訓練所として提供している。


  ▽バーユ


 ノルグー領・セトで出逢った商人。旅をしながら商売を行う。神聖機構から商品販売を委託されるだけの才を持つ。

 ラジックの友人で、彼の力が発揮されることを望んでいた。


 バーユとの繋がりからラジック、マリアンヌに繋がったのはライの幸運……そしてバーユにとっても幸運だったと言える。



  ▽ポルト


 エルフト市長の息子。モブキャラ。

 


⑪──▼アロウン国


  ▽シーン・ハンシー


 小国アロウンに暮らす青年。自称は『次期三大勇者の一人』だが、実力は纏装を齧った程度だった。

 マーナとの賭けに負け、『アロウン国強化の為、千人の仲間を集める』と命令される。同時にライを捜すようにも命じられた。



⑫──▼神聖国家エクレトル〔神聖機構〕



  ▽アスラバルス


 エクレトル最高意思決定機関『至光天』の一人である純天使。


 至光天の中で最も古株で長のような存在。壮年の外見で剣・魔法共に非常に高い能力を持つ。

 人格者であり、多くの天使に慕われている。



  ▽セルミロー


 エクレトル『至光天』の一人。至光天の中で最も若く理想に燃えている。純天使ではないが高い才覚を持つ。

 ライの行動により魔王級が増えたことでブチ切れていた。



  ▽ぺスカー


 古参の至光天。純天使で老婆の姿をしている。


 冷静沈着で広い視野を持つが、ライのせいで魔王級存在が増えた事態には衝撃を受けることに……。



  ▽ティアモント


 エクレトルの真なる最高意思であり、現行の神とも言える存在。天界に居て時折エクレトルに降りてくる。未登場。



⑬──◆ディルナーチ大陸


 ▼久遠国


  ▽シラヌイ・スズ〔不知火寿々〕


 エイルの封じられていた無人島付近……竜王海にて海賊船に追われていた女性。リルにより救助されライ一行はディルナーチ大陸へ向かうこととなる。


  ▽シラヌイ・ライドウ〔不知火頼堂〕


 ディルナーチ大陸・久遠、不知火領主。スズの夫。未登場。



⑭──▼その他



  ▽アムルテリア


 【物質】を司る大聖霊。狼型。メトラペトラとは度々意見がぶつかるが仲が悪い訳ではない。未登場。



  ▽オズ・エン


 【時空間】を司る大聖霊。鳥型。捉え処のない性格。かつての勇者バベルと契約をしていた。未登場。



 ▽フィアアンフ〔黒の暴竜〕───〔魔剣・獅子吼〕


 かつて暴竜として恐れられていた黒竜。勇者バベルにより封じられ『魔剣・獅子吼』となる。

 その後、龍王海の無人島にて魔王エイルを封じる楔にされた。 


 エイルの封印が解けた後、ライの精神を乗っ取ろうとするも逆に魔力量で圧倒される。以後、ライと兄弟の契りを交わした。


 エイルを守るようライに依頼されカジームに同行することになる。



  ▽バベル〔バベル・クレストノア〕


 三百年前に存在したロウド世界伝説の勇者。


 様々な脅威と戦い世界を守った存在であるバベルは、覇竜王と人のハーフだった。

 神と知己だったり海王と友だったりと謎が多く、未来を予期していた節もある。


 神格に至る力【神衣】を修得していた。

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