鬼殺し#2

伊吹美琴と伊吹美鈴は素振りと模擬試合を数回繰り返し、朝の稽古を終了した。

そして、ご飯を食べる、いつもの通りの朝のご飯。

一汁一菜が伊吹家の朝ご飯である。

伊吹美琴「ご馳走様でした」

伊吹美鈴「ご馳走様」

とにかく2人は食べるのが早く、しかもそこに加えて大食いなのである。

歯を磨き、髪型を整えた後、学校へと行く。

友達やあるいは先生が鬼かもしれない学校に。

伊吹美琴「行ってきます」

伊吹美鈴「行ってきまーす」

帰ってくる声は無い。それを何十年繰り返している。

伊吹美琴はいつも朝、悲しい顔をする。妹には見せないようにしているが妹も知っている。


–黒森峰中学校–

伊吹美鈴「じゃあね、お姉ちゃん」

伊吹美琴「うん、またね」

伊吹美鈴は1年生だから1階、伊吹美琴は3年生だから3階。

その順番で行けば、2年生は2階なのだ。

クラスに着いた、何も変わらない、少しも微塵も変わらない。そんな日常が続けばいいのにと願う。だが、そこまで甘くはなかった。

???「おはよう、美琴」

伊吹美琴「おはよう、綾音」

伊吹美琴に話しかけた、女の子。

名を長門綾音。伊吹美琴と同じく鬼と戦う少女。長門流の師範である。いつも模擬試合で伊吹美琴と負けたり勝ったりを繰り返すほどの実力者。

長門綾音「最近はどうなの?」

伊吹美琴「最近ってどういう事?」

長門綾音「恋とかしてたりするって事を聞いてるの?最近、元気ないからさ」

伊吹美琴「鬼と戦ってるんだよ、恋とか出来るはずないじゃん」

長門綾音「私も人の事は言えないんだけどさ。それと此処からが本題なんだけども、この写真を見て」

伊吹美琴「写真?」

長門綾音は、懐から1枚の写真を取り出す。

そこに写ってるのは1人の少女、目の前には鬼がいる。

長門綾音「でこっちも見て」

ともう1枚。

こっちはその少女が鬼を倒す瞬間が写っていた。

伊吹美琴「なんで倒せるの?おかしいじゃない」

鬼を倒せる力を持ってるのは伊吹流と長門流の流派のみ。

力を与えてもらうのも師範と1番弟子のみ。

長門綾音「まあまあ、そんな怒らないで私の話を聞いてよ」

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